ロクトリポート

農と食の体験塾 大豆編 第1回レポート

今年で4回目を迎える、「農と食の体験塾 大豆編」。
今年も市民と東京大学生態調和農学機構、西東京農地保全協議会、多摩六都科学館で実行委員会を立ち上げて企画を練り、公募により集まった23名の参加者を迎えてスタートしました。
遅ればせながら、開校式のレポートです。

第一回は、5月30日(火)に西東京市にある東大生態調和農学機構の学生宿舎にて開会式を行い、その後圃場(大豆を育てる畑)の見学を行いました。

0530学生宿舎
学生宿舎(昭和12年築の建物です) 

今年は今まで行ってきた大豆の栽培体験に加え、東京在来種という江戸時代以降東京で栽培されてきた地域特有の品種の種を残す取り組みや、さまざまな専門の先生方から大豆・農業をキーワードに講義を聞くといった要素をメンバー募集の際にちょっと強く打ち出してみました。その効果があったのか、農作業はもとより、種取りや大豆加工に興味がある方など、バラエティに富んだメンバーが集まりました。中には不作に終わってしまった去年のリベンジをかけてまた参加して下さった方々もいて、運営側としては心強い限りです。

開会式では、この体験塾の概要や活動にあたっての注意事項のほか、今回重点を置いていることの一つである「東京在来大豆」についての説明や、二宮正士教授による「日本の豊かな食をさらに豊かに」 という講義も行われました。

参加メンバーで、今年の記録係を担当してくださる丸山修さんがとても素敵なレポートをつくってくださったので、そこから抜粋してお伝えします。

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手島さん(東大生態調和農学機構技官)による研究説明
・東京大豆(東京在来種)は昭和の初めから30年代まで栽培されていた貴重な大豆。
~中略~
本プロジェクトでは在来大豆7種と育成大豆2種の比較試験を行う。加工した大豆の官能調査を含めた市場調査をアンケート方式で行う。

二宮教授(東大生態調和農学機構)によるレクチャー
 「日本の豊かな食をさらに豊かに」 持続的な農業生産とは・・・YES or NOでは簡単に済まない農業を取り巻く今日的な課題と、なぜ大豆なのかという本プロジェクトの意味について、興味深いトピックを織り込みながら順序立てて解説いただいた。オリンピックで使われる食材の認証問題はクリアされているのか、農業による窒素と温室効果ガスが持たらす環境への負荷、食物生産に投入されるエネルギーとそれにより得られるエネルギー、良いことばかりともいえない有機農業の課題、多様な食物の栄養価のなかで大豆が占める位置・・・などなど貴重なお話しでした。

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講義の後には、3,4人ずつのグループに分かれて自己紹介を兼ねて講義の内容の振り返りをしました。
みなさん味噌作りや枝豆栽培にもチャレンジされている方々ですが、先生の講義にあった遺伝子組み換え作物や有機農法についての利点・問題点など、日々の食と農業の課題を改めて考えるきっかけとなったようです。

最後に、これから大豆を播く圃場(ほじょう)=畑の見学をしました。
大豆を栽培するエリアはまだ手つかずの状態でしたが、その隣で技官の手島さんが栽培されている東京在来種のキュウリやネギについての説明を受けました。
0530圃場
大豆を播く予定の圃場

江戸東京野菜
0530キュウリ 0530キュウリ花
キュウリ

0530ネギネギ(種取り用に花に袋がかぶせてあります)

次の回は、播く種を選ぶ選粒の作業と、大豆図鑑作りです。

パブリックリレーションズグループ  H