ロクトリポート

ダイヤモンドつくりに挑戦中! その36 ~完結編!~

2016.03.09 09:48:20

『ダイヤモンドづくりに挑戦中!』完結しました!
2014年1月から開始して約2年間かかりましたが完結しました。
「ダイヤモンドつくってみよう!」
という好奇心で、「高校の教科書に載っていたぐらいだから。」
と、軽い気持ちではじめましたが、
実験器具をつくったり、解析したり、計算したり・・・。
たくさん勉強をしなくてはならなく思った以上に時間がかかってしまいました。

でも、本当にたくさんの方にご協力頂き、
ついに、まとめレポートが完成しました!

先週(2016年3月3日)から「しくみの部屋」で展示をはじめています。

展示室 ブログ

まとめレポートも展示しています。
詳しく結果や考察を書いていますので
ご興味ある方は是非、ご覧になって頂けると嬉しいです。

ブログ2

実際に実験に使った実験器具やサンプルもそのまま展示しています。
ダイヤモンド!?も展示しています。
肉眼では見えませんが、ご来館された際にはぜひご覧ください。

サイエンスチーム ささき

ダイヤモンドつくりに挑戦中! その35

2015.07.15 21:22:08

「ラマン分光分析②」
ラマン分光の分析の解析結果を発表します!

(1)2014年7月9日のフィラメントにできた結晶

0709フィラメント電顕1

何か結晶らしきものが付いています。
拡大すると、結晶だな。という印象です。

0709フィラメント電顕2

この結晶のラマン分光の分析結果がこちらです。

0709フィラメント

解析の結果、
酸化タングステンだということが分かりました。
上の赤い方がデータベースの酸化タングステン。
下の黒い方が今回の分析結果です。
ピークの位置など、ほぼ同じです。

(2)2014年7月9日の基板にできた結晶

0709 基板電顕写真

このような、なにかができていました。
参考にしている文献に載っていた「ミラーボールダイヤモンド」というのに、
電子顕微鏡の写真はそっくりだったのですが。
こちらの分析結果は

0709基板やさしくレーザー

サンプルが焦げないように弱いレーザーを当てるとカーボンのスペクトルが現れました。 どうやら、表面に有機物がついているようです。残念ながらダイヤモンドではなさそうです。

レーザーを一定の強度に抑えると、カーボンのスペクトルが現れたことから、 表面には有機物が付着しているものと思われます。

0709基板強くレーザー

一方、レーザーを強く当てて表面の有機物を焦がして測定すると、酸化タングステンのスペクトルが現れました。
ミラーボール状の部分はタングステン由来の物質だったみたいです。

7月9日は、実験中にフィラメントがバチンと切れたので、
タングステンが飛び散ったのでしょうか?
基板にもタングステンが付着していたことから、
こんな目に見えないことが想像できるとは思っていなかったので
すごくおもしろかったです!

(3)2014年11月19日の基板にできた結晶

1119基板電顕写真


これが、いままで一番きれいな結晶なので期待の一品です!
この結晶の分析がこちらです。

下の青い方が工業用のダイヤモンドの分析結果で、
上の赤い方が今回の分析結果です。

1119分析結果

この分析の解析結果は・・・・
なんと、、、
ダイヤモンドでしたっ!
やりましたっ!
科学的にもちゃんと「ダイヤモンド」だと、認められました!

 

 

 

 

他のサンプルもいろいろ見てもらいました。
すすだと思っていたものが、すすというよりグラファイトに近いもので、
ダイヤモンドのなりそこないみたいなもの・・・・?
と、分かったり、ラマン分光の凄さがすごく分かりました。

解析にご協力頂いた日本分光に感謝致します。
特に斉藤さまと田村さまには、
本当に貴重なお時間を頂き、ありがとうございました!!

サイエンスチーム ささき

 

ダイヤモンドつくりに挑戦中! その34

2015.07.08 18:55:33

「ラマン分光分析①」
ダイヤモンド“らしき”結晶は本当にダイヤモンドなのか?
それとも、別の物質なのか?を、科学的に調べるために、
今度はラマン分光で分析をして頂きました。

今回おこなう「レーザーラマン分光」という方法は、
レーザーをあてて出てきたラマン散乱光を分光して
得られたラマンスペクトルから、分子レベルの構造を解析する手法のことです。
(くわしくは、日本分光さんのHPに分かりやすく載っているので見てください。

http://www.jasco.co.jp/jpn/technique/internet-seminar/raman/raman1.html

サンプルを持参して、日本分光さんへ!

O

会社は分析器もあるからか、とても涼しかったです。

玄関ホールにはいろいろなものが飾ってありました。
こちらは昔?の分析器です。
なおそうにも部品がないそうですが、こうした分析器もいまだに需要があるようで
部品をなんとか調達しようとしているようです。

 O

他にもいろいろなものが飾ってありました。

O

おもしろいものがいろいろあり、
見せて頂きながら、
分析室に案内をして頂きました。

今回、分析をして頂いたのは
レーザーラマン分光 NRS-4100 という機械です。

O

扉があくと、サンプルを置く台がありました。
実体顕微鏡のようなものがついていて、
サンプルの照射位置を探っていきます。

O

このレーザーラマン分光は、
サンプル照射を1μmまで絞れるらしいのですが、
今回は2μmほどにしているそうです。

かなりピンポイントに分析することができます!
しかも、
今回のようなものだと、サンプルはなんの加工もせずに、分析できました!

本当にすごいです。

機械を動かして、分析結果の解析までして頂きました。
ピンポイントに照射できるのですが、逆に言うと、
ちゃんとピンポイントに結晶に照射しないと、
違う結果になってしまうので、
狙ったところにちゃんと照射する技術がとても重要です

しかも、分析結果が出ると、
すぐに「これは○○ですね。」
と、データベースが頭の中にあるので、本当にすごかったです。

少し、長くなってしまったので、
解析結果は次回、書きます!

最後に、
日本分光さんのキャラクター
ジャスコくんです。

O

 

 

 

ダイヤモンドつくりに挑戦中! その33

2015.04.09 18:34:23

「X線回折のためのサンプル作り」
2014年7月9日の実験の時にはフィラメントに
ダイヤモンドらしき結晶ができていたので、
そのサンプルもX線回折分析して頂くことにしました。

ただ、フィラメントのままだと分析できないので、
ガラスのプレパラートにカーボンテープを貼り、
そこにフィラメントから結晶をとってのせることにしました。

まずは結晶がどんな風についていたか、
もう一度、電顕でみてみました。

このフィラメントは実験の途中で切れてしまったのですが、
白熱していたところに結晶がついていることがわかります。

H

拡大してみると、密度が高く、結晶ができていることがわかります。

H

 さらに拡大してみると、フィラメントから結晶がはえているみたいにもみえます。

 H

さらに拡大してみると、
きれいな正菱面体を発見しました!
これは、ダイヤモンドの基本形のひとつとして、
みたことがあったので、期待ができます。

H

しっかり、フィラメントには結晶ができていることを
もう一度確認できたので、
次はフィラメントから結晶を外す作業になります。

フィラメントを肉眼でみると、
なにかキラキラしているなぁ。
とは思いますが、この結晶をどうやってとるのか悩みました。

O

大きくても、10μmのサイズです。
肉眼では一つ一つはみえないので、
つまんで外すことはできません。
なので、フィラメントをピンセットの先でこすり落としてみました。

ガラスのプレパラートにカーボンテープを貼り、
そこの上で、フィラメントをピンセットでこすりました。

手ごたえは全くありませんでしたが、
黒いカーボンテープの上が少しキラキラした???ようでした。

ちゃんと結晶がとれて、カーボンテープの上にのったかを
電顕で確認してみました。

すると、なにかがテープに付着しているのが確認できました。

H

拡大してみると、ちゃんと、結晶がテープの上に
のっているのが確認できました!

H

このプレパラートにのったサンプルを研究所に郵送し、
X線回折分析をして頂くことにしました。

つづく・・・

サイエンスチーム 
ささき

 

ダイヤモンドつくりに挑戦中! その32

2015.04.09 18:29:47

「X線回折②」
前回も載せましたが、
X線回折のデータがこちらです。

201503191537

それぞれの結晶には構造を決める固有の結晶系とその格子定数が知られており、
X線回折のデータから計算された結晶面間隔を格子定数から求めた面間隔と比較して
できた結晶がなにかを知ることができるようです。

 頂いたデータを見てみます。
黒線が粉末法、赤線が薄膜法の値です。
黒線と赤線のスペクトルより基板以外からの回折と思われるピークの回折角を読みとります。

ここから、ブラッグの条件で面間隔を計算してみました。

ダイヤモンド20141119のサンプル

立方晶のダイヤモンドの格子定数から求まる面間隔の値とは違いました。
では、なんの結晶なのか?
というのを、探すのはとても難しい作業です。

合成の可能性がある炭素の同素体には、
立方晶ダイヤモンド、六方晶ダイヤモンド、グラファイト、フラーレンがあります。

ちなみに、六方晶ダイヤモンドをインターネットで検索してみると、
ロンズデーライトやダイヤモンドライクカーボンというものが出てきました。
「ロンズデーライトは自然界においては、隕石が地球に衝突した際の巨大な熱と圧力によって、
隕石中のグラファイトの構造が変化し生成される。」
という一文があり、
これらが、試験管の中でできればと思うと、なんだかおもしろいなぁ。と思いました。

つづく・・・

サイエンスチーム 
ささき

 

 


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