髙柳雄一館長のコラム

2018年07月一覧

「たまろく駅」は科学の旅の始発駅

夏休みが始まりました。子どもたちには待ちに待った季節の到来です。一年で最も長いお休みが取れる夏休み。日ごろ行けない場所へ旅することが出来る季節です。多くの皆さんは夏休みならではの素敵な旅に思いを馳せていらっしゃることでしょう。

夏休みは、私たちにとっても一年で最も多くの方々が来館される大切な季節です。今年は、夏休みの旅先としても多摩六都科学館を入れて頂こうと、館内に夏休み期間限定の臨時駅を開設しました。「たまろく駅」です。今回は、鉄道の路線上には無いユニークな「たまろく駅」利用のご案内をいたしましょう。

「たまろく駅」には、私たちが鉄道を利用する際、どんな駅にも必ずある列車の発着時刻表示や列車に乗り降りするプラットフォームは見当たりません。鉄道の路線上に無い駅ですから当然ですね。その代り、この駅には、普通の駅では見ることができない、私たちが日頃接している鉄道に関わる色々な世界を見たり触れたりできる展示が配置されています。

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▲会場のようす

鉄道の発着駅では無い「たまろく駅」は、今年の夏の特別企画展である「鉄道展2018・たまろくステーション~駅からみえる まち・ひと・技術~」の会場そのものなのです。

会場の臨時駅長からの「ごあいさつ」にも書きましたが、陸に住み、そこで活動する人類は陸上での活動範囲を広げ現在の文明を築き上げるために様々な道をつくり、それを発展させて来ました。その中でもレールのある道・鉄道は人類が鉄の利用を活かした文明の素晴らしい成果のひとつに違いありません。鉄道の利用が私たちの生活とどれほど深く関係しているかは、今回の西日本豪雨の災害で鉄道が不通になった地域で、被災地の復興に鉄道の復旧が急務となっていることからも良く分かります。

私たちの生活にとってこんなに重要な鉄道の役割、それがどのように地域と人々を結びつけ、私たちの日常の活動を支えているか、そこで使われている技術、それを活かしている人々、そんな日ごろ気にしていない鉄道を支えている世界に触れて、皆さんの鉄道の見方も変わるかもしれません。そんな体験をこの夏は皆さんに楽しんでいただきたいのです。

「たまろく駅」には発着時刻表は無いと書きました。開館から閉館まで皆さんにご自由に利用できます。発時刻が無いからどこにも行けない駅だと思う方もいらっしゃるかも知れません。でもここは科学館の中にある駅です。皆さんの興味で科学の色々な世界に触れられる場所がまわりにいくつもあります。この駅はそこへ出かける始発駅にすることもできます。「たまろく駅」は科学の旅の始発駅なのです。

最後に「たまろく駅」始発経由で楽しむ、この夏の多摩六都科学館への旅で優れもののコースを紹介して終りにいたします。まず入館後、「たまろく駅」では毎日先着100名様には「来場記念きっぷ」を差し上げています。つぎは「たまろく駅」始発の科学の旅でも遠くを見たい人にはプラネタリウムの「星を見に行こう」がお勧めです。夏の素晴らしい思い出となる旅となるに違いありません。この旅でも皆さまにお会いできることを願っています。

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▲当館オリジナル来場記念きっぷ