ロクトリポート

<Qua(クワ) Qua(クワ)ワークショップ>“わたし”と“わたしのまわり”~観察して色と素材で表現~ ②

<Qua(クワ) Qua(クワ)ワークショップ>
“わたし”と“わたしのまわり”~観察して色と素材で表現~
の2回目を開催しました。前回の様子はこちら

講師はレッジョ教育を広める会@キオッチョラ@の皆さんです。
講師のおひとり、石井さんは4年間イタリアのレッジョ・エミリア市で幼児教育を学ばれていました。

レッジョ教育とはモンテッソーリ、シュタイナーと並ぶ世界5大幼児教育のひとつで、
子どもの主体性を引き出す教育として現在とても注目されています。

※過去に当館で行ったワークショップについて詳しくはこちら

テーマについて

2020年度は”わたし”と”わたしのまわり”をテーマにしていて、
前回は”わたし”、今回は”わたしのまわり”に注目して表現します。

”わたしのまわり”の生き物を探求していきます。
今回の空間装飾は様々な生き物を意識しています。
動物の写真や創造の生き物の絵と、その絵の前にはモノが置かれています。
さまざまな生き物が潜んでいそうな森のイメージも配置されていました。森の奥には鏡が置かれているので、森の中に入っていけそうな感覚になります。

最初のアプローチ

石井さんが
「今日は“わたしのわまり”がテーマなんだけど、わたし達のまわりってなにがいるかな?」
と、問いかけると
「パパ!」「ママ!」など、声があがりました。

次に「知っている生き物なにかある?教えて!」
と、問いかけると
「キリン!」「ワニ!」「シャチ!」
など、次々に答えが出ます。

そこで、石井さんが
「じゃあ空にはどんな生き物がいる?」
と、問いかけると
「鳥!」「ハト!」「スズメ!」「虫!」「カ!」「むかしの恐竜!」

次に「じゃあ海は?」
と、問いかけると
「クジラ!」「アヒル!」

次に「じゃあ土の中は?」
と、問いかけると
「モグラ!」「アリ!」「虫!」

など、いろいろ教えてくれました。

みんながなんとなく生き物のイメージが出てきてから、
今度は、緻密に描かれた動物図鑑をプロジェクターに映して一緒に見ていきました。
「さっき、みんなが教えてくれた生き物はいるかな?トゲがあるお魚もいるね。虫の頭にすごく長いものが付いてるね。」など、話しながらページをめくっていきました。

生き物を創造してみる

今日は様々な生き物をつなげて、オリジナルの生き物を創造します。
2人の講師が壁でデモンストレーションをしました。
壁に動物のカラダの半分だけの写真が貼ってあり、その写真をなぞります。
その次にのこり半分のカラダを自分で考えて描きます。

「サイの足ってごつごつしてるね。模様があるとかわいいかな。」
「金魚みたいにウロコを描いてみようかな。」

描けたらカラフルな紙を配るので間に挟んでみます。
「おしゃれになったね。」「お花柄になるとやさしそうに見える。」

イメージがつかめたところで、みなさんの番です。
今回も、それぞれが自分の表現をのびのびするために、背中合わせになって描きました。

子供たちはどの生き物の写真にするか選びました。

「くちばしとがってる。」「この生き物はなんだろう?」
など、話ながらなぞっていき、もう半分を自由に描いていました。

(写真は後半ワークのねんど造形も含まれています。)
裏に置く紙を変えると生き物の印象や性格がガラリと変わって見えてくるので不思議です。

描けた子から、その生き物に名前をつけて、
あっという間に、前半のワークは終了しました。

「食べ物」と「うんち」を創造してみる

石井さんが生き物の「うんち」の写真を見せ、
「これは何の生き物うんちかな?カラフルだね。」
と、問いかけると
「カタツムリ!」と答えが上がりました。
「カタツムリはオレンジの人参を食べるとオレンジ色のうんち、レタスを食べると黄緑色のうんちが出るんだね。」

「次は何の生き物のうんちかな?緑色だね。大きいよ。」
と、問いかけると
「パンダ!」と答えが上がりました。

「みんながさっき考えた生き物はどんなものを食べて、どんなうんちをするのかな?」
と、問いかけました。

後半はねんどや木の実を使い、立体表現をしました。
3原色と白の4色のねんどを、混ぜ合わせ、自分のイメージの色をつくっていたり、木の実などからイメージをしてねんどでカタチをつくったりと、みんなそれぞれのアプローチで取り組んでいました。子供も大人もかなり集中していました。

シェアタイム

みんなの作品をプロジェクターで映しシェアしました。

「イチゴワニ」いちごが好きなワニ。肉食

「バスサイ」おしっこも出てる。四角いからバス。体が2つに分かれてる。食べてるのは、おもちみたいなやつ。お正月だから。

「げろげえろ」毒キノコ食べてる。みらいの生き物。白とピンクのわっかのドーナッツ型。

「あらいも」あらいぐま。バラ。カラフルなたべもの

「ティラノゾウカニ」サソリのしっぽをもっている。ワニのおしり。土に入ったり、金色に入ったり、おなかすいたらバナナを食べる。ぞうも食べる。強いから。歯が強くて足をつなげている。口から火もはく。せなかでも歩ける。しっぽをまげると杖になる。人間の仲間。甘いものを食べても太らいない。太らないのは強いから。

最後に石井さんから
「ストーリーがあると思うので、ぜひおうちに帰ってからもお話してみてくださいね。」
とお話されていました。

余ったねんどや材料も、みなさんすべてお持ち帰り頂いていたので、おうちでも続きをしてくれていると嬉しいです。

今回は、特にねんどの造形は、時間が足りないほど集中している方が多く、みなさんいろいろなストーリーをお話してくださり、こちらもとても楽しかったです!

石井さんからも最初に
「制約が多いこの時期、アートがとても大切。表現して楽しんでいきましょう。」
というメッセージがありましたが、今回、参加者の方々の表情や行動がどんどん明るくなっていく様子を見ていて本当にこういう時期だからこそアートや表現活動は大切だと再認識できました。
ご参加頂きありがとうございました!

☆ご興味を持ってくださった方へ☆
過去、当館で行った『レッジョ教育を広める会@キオッチョラ@』のイベントの報告はこちらをご覧ください。