今回の講演会は、「宇宙の最新研究2025」第1弾!
多摩六都科学館では毎年、前年度に公益財団法人 宇宙科学振興会が主催する『宇宙科学奨励賞』を受賞された研究者をお招きして講演いただいています。
『宇宙科学奨励賞』とは
宇宙科学分野で優れた研究を行っている若手研究者を顕彰する目的で、宇宙理学と宇宙工学の2つの分野から毎年1名ずつ選出されます。
講師は、宇宙理学分野で受賞された、
愛媛大学大学院 理工学研究科 准教授 志達 めぐみ(しだつ めぐみ)先生です。
▲講演会のようす
講演タイトルは
「X線観測で迫るブラックホールの激しい活動の謎」
大人から子どもまで大人気のテーマ「ブラックホール」。強大な重力でなんでも吸い込み、光すら脱出できないというイメージが強いですが、近年ではジェットやウインドと呼ばれるガス噴出や、突然明るく輝くなどの“激しい活動”をすることがわかってきています。
今回は、志達先生が研究されている「ブラックホールX線連星」を中心に、これらを発見・観測・解析する探査機とその成果についてお話いただきました。
「ブラックホールX線連星」とは?
ブラックホール(恒星質量)と恒星が互いにまわり合う連星で、ブラックホールが恒星のガスを吸い寄せて円盤状にガスをまとっています。ガスがある程度溜まるとブラックホールへと落ち(先生によると“ししおどし”のイメージ)、その瞬間にガスが強いX線を放って明るく輝くことからブラックホール研究で注目されています。
「X線を観測して、突然明るくなればブラックホールが発見できる」と聞くと簡単そうに感じますが、ブラックホールX線連星はわずか1週間で1万倍以上明るくなって時間とともに暗くなるので、空全体を常に監視しないと見つけられないそうです。
そこで活躍しているのが、国際宇宙ステーション(ISS)に設置された「全天X線監視装置 MAXI」(2009年~)。ISSが90分で地球1周するごとにほぼ全方向をスキャンでき、24時間体制で監視することで、15年間で新しく35の天体を発見しています。
こうして発見されたブラックホールの詳しい観測からジェットやウインドといった高速のガス噴出が知られてきましたが、まだまだ多くの謎があります。それらを解明すべく2023年に「X線天文衛星 XRISM」が打ち上げられました。
搭載されているのは “世界最高のX線分光器”「Resolve」。この装置によって、何の元素があるか、近づいているか遠ざかっているかなどの詳細な解析ができるようになり、ブラックホールの活動について新たなことが次々と分かってきているのだとか。
志達先生は両プロジェクトに深く関わられていて、MAXIの観測精度向上への貢献は今回の受賞功績の1つとなっています。
今後はXRISMでさらなる観測を続けるだけでなく、X線と可視光や電波など様々な波長で同時に同じ天体を観測する「多波長観測」でブラックホールの活動を解明していくとのことです。運用2年弱で既に多くの成果を挙げているXRISMの今後の活躍も期待しましょう!
講演会の後半では、参加者からの質問にお答えいただきながら、髙柳館長とともにお話を深掘りしました。
志達先生のご厚意で、公演中に回答しきれなかった質問にもご回答いただきましたので、Q&Aを公開いたします。
また、当日の簡易版の資料もご用意いただきましたので、内容を振り返りたい方、気になった方はQ&Aと合わせてご覧ください。
※複製や他者への提供などは禁止とさせていただきます、ご了承ください。
11/8(土)開催 「X線観測で迫るブラックホールの激しい活動の謎」Q&Aを大公開!
講演会スライド資料pdf(公開を終了しました)
改めまして、ご講演いただいた志達先生、共催としてご協力いただいております宇宙科学振興会の皆さまへ厚く御礼申し上げます。
ご参加いただいた皆さまもありがとうございました。是非またご参加ください。
2/22(日)には第2弾「有人宇宙活動を支える宇宙火災安全技術の最前線」も開催しました!
(講演会の様子はコチラ)(準備中)












