ロクトリポート

2/22(日)開催「有人宇宙活動を支える宇宙火災安全技術の最前線」Q&Aを大公開

講演会の様子はコチラ

講演会では参加された皆さまから大変多くの質問をいただきました。
小林先生のご厚意により、会場でお答えできなかったものも含めて、後日多くの質問にお答えいただきましたのでこちらにQ&Aを掲載します。

興味深い質問と回答ばかりですので、講演会にお越しでない皆さまもぜひご覧ください。
また、最後には研究者を目指す学生さんに向けてアドバイスもいただいています。

それでは、長くなりますがどうぞお付き合いくださいませ。

目次
①宇宙の3大インシデント・宇宙火災について
②先生の研究について
③FLAREプロジェクトについて
④将来の有人宇宙活動について
⑤その他&担当スタッフからの質問

①宇宙の3大インシデント・宇宙火災について

Q, 先生は宇宙火災について調査されておりますが、急減圧や空気汚染について調査される方もいらっしゃるのでしょうか。

A, 私自身はその分野の専門ではありませんが、急減圧や空気汚染への対応、事故対応マニュアルや安全対策の整備といった内容については、主にJAXAなどの宇宙機関の方々が中心となって取り組まれていると思います。これらは学術研究というよりも、実際の運用や安全管理に直結する分野であり、現場に近い専門家の方々が担っていることが多いです。一方で、宇宙環境における火災現象を学術的に研究している例は比較的少なく、その意味では私の研究分野はやや珍しい領域かもしれません。

Q, 火災検知の仕組みについて、地上での火災報知器による煙検知に相当する仕組みや、スプリンクラーのような自動消火機能などはあるのでしょうか?

A, 国際宇宙ステーション(ISS)でも、火災をできるだけ早く検知するための仕組みが備えられています。地上の火災報知器と同様に、空気中の煙や微粒子を検知するセンサーが設置されており、異常が検知されると警報が出るようになっています。
一方で、地上の建物でよく使われているスプリンクラーのような自動散水による消火設備は、ISSには設置されていません。無重力環境では水が霧状になって漂ってしまい、機器に影響を与える可能性があるためです。そのため、火災が発生した場合には宇宙飛行士が消火器を使用して対応する仕組みになっています。

Q, 3大リスクに、太陽フレアによる宇宙放射線の影響が入っていませんでした。アポロ計画では偶然助かったことがあると聞きました。宇宙天気についてはどう考えますか?火災とは関連あるでしょうか?

A, ここで挙げた「3大リスク」は、NASAやJAXAなどでよく議論される宇宙機内の安全リスクを指しており、その中には宇宙放射線は含まれていません。宇宙放射線や太陽フレアは、宇宙飛行士の健康や電子機器の誤作動といった観点では非常に重要な問題であり、「宇宙天気」として別の分野で盛んに研究されています。火災との直接的な関係については、現時点では強い関連があるとは考えにくいですが、例えば宇宙放射線によって電子機器に異常が生じ、それが結果的に発熱や電気的トラブルを引き起こすといった間接的な影響は考えられるかもしれません。

②先生の研究について

<物質の燃焼性について>

Q, 燃焼性を評価するグラフでは、酸素濃度と周囲流速の2つのパラメーターのみですが、燃焼性は重力の強弱に関係なく評価できる(つまり地上で実験するのみで燃焼性を評価できる?)ということでしょうか?

A, 講演では横軸を「周囲流速」として示しましたが、これは重力によって生じる自然対流の強さを表しています。地上(1G)では自然対流によっておよそ30 cm/s程度の流れが生じますが、例えば月(約1/6G)では20 cm/s程度、火星(約1/3G)では25 cm/s程度と、重力が小さくなるほど自然対流も弱くなります。そのため、図の横軸で示した「周囲流速」は、「重力レベル」を反映した指標と考えることができます。例えば30 cm/sは地上環境、0 cm/sは無重力環境に対応すると理解していただいて構いません。

Q, 固体材料ごとに、全て実験を行ってから理論予測をするとなると、膨大な実験数にはならないのでしょうか?使われるものが限られていて、問題ないのでしょうか?

A, 材料の種類は非常に多く、すべての材料について一つ一つ実験を行うことは現実的ではありません。そのため、まずは国際宇宙ステーション(ISS)で実際に使用されている代表的な材料を対象に実験と評価を行い、それらが本当に安全かどうかを確認するというアプローチを取っています。
現在のところ、人が長期間居住できる宇宙環境はISSが中心であるため、ISSで使用される主要な材料については、ある程度実験データが蓄積されています。一方で、将来、新しい宇宙船や月面基地などが実現すると、より多様な材料が使用される可能性があります。そのため、今後は実験だけでなく理論モデルや予測手法を組み合わせながら、効率的に安全性を評価していくことが重要になると考えています。

Q, 地球だと自然対流が起きるので、30cm/sよりも対流が少ない環境での実験は地上ではできないと繰り返しおっしゃっていましたが、仮に燃焼の式が完璧に完成すると、地上での実験のみで、理論的に「宇宙ではこうなる」と予想できるのでしょうか。

A, その可能性はあると考えています。
講演でも触れましたが、例えばろ紙の燃焼などでは、まだ実験結果と理論の間に差が残っており、完全に再現できているわけではありません。しかし、もし燃焼現象を十分に記述できる数式モデルを構築することができれば、地上で得られた実験データを基に、微小重力環境での燃焼挙動を理論的に予測することが可能になると期待されています。

Q, 燃えにくいけど強度が低い(やわらかい)材料とか。 燃えやすいけど強度が高い(硬い)材料の場合はどうやってバランスを取るのでしょうか。

A, 私の研究では、材料の「硬い・柔らかい」といった機械的強度そのものは直接の評価対象にはしていません。
燃焼性に関しては、材料の厚さや熱的な性質が重要な要素になります。特に材料の厚さは燃焼性に大きく影響します。一般的に、材料が薄いほど加熱されやすく、燃えやすくなる傾向があります。例えばプラスチックでも、非常に薄いフィルム状のものは比較的容易に着火しますが、厚い材料になると着火しにくくなることがあります。このような材料の厚さの影響は、講演で紹介した燃焼モデルの式の中にも含まれています。

<燃焼性の実験について>

Q, ろ紙の燃焼試験では、熱の伝わり方が違うから予想と異なる結果になったとのお話だったように理解しました。でも実際の火災では、色々な方向から熱が伝わると思います。計算式はどんどん複雑にしなければならないのでしょうか?

A, 実際の火災ではおっしゃる通り、さまざまな方向に熱が伝わります。ただし、それをすべて数式に入れていくと、計算式は非常に複雑になってしまい、扱いにくくなってしまいます。そこで研究では、現象の本質に大きく影響する要素だけを取り入れた「できるだけシンプルなモデル」を作り、必要に応じて実験データで補正していくという方法がよく取られます。つまり、式をむやみに複雑にするのではなく、重要な要素を見極めてモデル化し、実験と組み合わせながら精度を高めていくことが重要になります。

Q, 結局、このような様々な実験をするのにあたり、限定的な期間、場所での実験にはならないのでしょうか?どこでも、誰でもできる、というような実験になるでしょうか

A, NASAの標準試験(NASAスタンダード)は、特定の機関や特殊な装置が必要になるため、実施できる場所が限られてしまうという課題があります。一方で、私たちが考えている方法は、できるだけ簡単な実験装置で燃焼性を評価できるようにすることです。例えば、燃焼性を調べたい材料のサンプルを板で固定して燃焼させるといった、比較的シンプルな装置での実験を想定しています。また、燃焼試験の方法自体は、国際規格(ISO)で定められている基本的な試験方法があります。そのため、ISOに沿った実験データが得られれば、そのデータを使って誰でも燃焼性を評価するグラフ(U字型のグラフ)を作成できるようになることを目指しています。

<研究の応用性について>

Q, 宇宙で燃焼し難い材料の研究開発につながりますか?

A, 燃焼性を示すU字型のグラフを見ると、例えばアクリルの場合、宇宙では地上よりも酸素濃度が約2%低くても燃える可能性があるというデータがあります。一方で、U字型カーブの最も燃えやすい条件(U字の底)が地上側の条件で現れる場合には、地上の方が燃えやすい条件にあるとも解釈できます。そのため、地上での実験で安全であることが確認できれば、宇宙でも安全である可能性が高いと考えられます。また、材料の密度や厚さなどのパラメーターを変えたときに、このU字型のカーブが右方向(流速が大きい側)や上方向(より高い酸素濃度側)に移動するのであれば、その材料は宇宙環境でもより燃えにくい方向に変化していると評価できます。このように、どのような材料パラメーターが燃焼性に影響するのかを明らかにしていくことが、将来的に宇宙で燃えにくい材料の設計や開発につながると考えています。

Q, 宇宙環境で燃えにくい材料の開発など、材料化学の分野にも関連がある研究なのかな?と思いました。

A, この研究は燃焼分野にとどまるものではなく、材料開発にも関係してくる可能性があります。燃焼性を示すU字型のグラフを作ることで、「この材料は宇宙環境で燃えるのか、燃えないのか」といった評価を行うことができます。さらに、材料の種類や厚さ、密度などの条件を変えたときに、このU字型のカーブがどのように変化するかを調べることで、どのような特性を持つ材料がより燃えにくいのかを明らかにすることができます。そうした知見を材料メーカーなどに提供することで、宇宙環境でより安全な材料の開発につながる可能性があります。このように、本研究は燃焼工学だけでなく、材料科学など他分野にも広がっていくことが期待される研究だと考えています。

Q, 燃え難い材料の研究で量子コンピュータも使われるようになるでしょうか?

A, 量子コンピュータの活用については、火災安全そのものの研究というより、燃焼現象の基礎的なシミュレーションの分野で検討が始まっています。量子コンピュータは従来のコンピュータとは計算原理やアルゴリズムが大きく異なるため、それに適した新しいシミュレーション手法の研究が進められている段階です。ただし、現時点では実際の燃焼研究に広く使われているわけではなく、主に大学などで基礎的な研究が進められている段階です。今後、計算手法やハードウェアが発展すれば、燃焼現象の理解や材料設計に役立つ可能性はあると考えられます。

Q, 固体以外に液体やガスなどの気体をテストすることはできるのでしょうか。

A, 今回の講演では固体材料の燃焼性についてお話ししましたが、実際に炎として燃えているのはガスです。火炎の近くを詳しく見ると、炎からの熱によって固体材料が加熱されて熱分解し、ガスが発生します。そのガスが空気中の酸素と反応して燃焼しています。そのため、ガスの燃焼現象については、ある程度評価することができます。一方で、液体の場合は無重力環境では表面張力の影響で液体が丸い形になり、地上とは燃え方が変わると考えられます。液体の燃焼については、火災研究というよりも、エンジン研究の分野で古くから研究が行われています。例えばディーゼルエンジンでは燃料を霧状に噴射しますが、拡大していくと最小単位は液滴になります。その一つ一つの液滴がどのように燃えるのかを調べる研究が進められており、主に内燃機関やエンジンの分野で重要なテーマとなっています。

③FLAREプロジェクトについて

Q, NASAも独自にサファイアという宇宙火災実験を行っていましたが、サファイアとFLARE実験の違いは何でしょうか。相補的な関係なのでしょうか?

A, 材料が宇宙環境で燃えたときにどのように燃えるのか、あるいは燃焼性がどのように変化するのかを調べる実験は、NASAでも行われています。NASAは「Saffire」というプロジェクトで実験を実施しており、これはCygnus(シグナス)というISSの補給船が大気圏に再突入して燃え尽きるまでの時間を利用して、燃焼実験装置を動かすという特徴的な実験です。FLARE実験との主な違いの一つは、材料のサイズです。FLAREで行っているアクリルやプラスチック、ろ紙などの実験は比較的小さな試料を用いるのに対し、Saffireではより大きなスケールの材料を燃やす実験が行われています。もう一つの違いは酸素濃度の条件です。Saffireの実験では酸素濃度は30%以下と比較的低い条件ですが、ISSで行うFLARE実験では酸素濃度を最大45%まで高めることができ、より広い条件で燃焼特性を調べることができます。研究の位置づけとしては相補的な関係にあります。Saffireを実施しているNASAの研究者とも密接に情報交換を行っており、すでに行われた実験と重複しないようにしながら、それぞれの強みを活かして新しい知見を得ることを目指しています。

Q, ISSのCBEFや、CBEF-L(※細胞培養装置・・・遠心力による人工重力実験にも用いられる)には入りそうもないサイズに思えますが、FLARE-3での人工重力は、どのようにして実現するのでしょうか?

A, FLARE-3では、月(約1/6G)や火星(約1/3G)の重力環境を再現して燃焼実験を行うことを計画しています。実験自体は国際宇宙ステーション(ISS)内で実施しますが、そのために新たに遠心装置を開発し、ISSへ打ち上げて使用する予定です。この装置を回転させることで遠心力を発生させ、月や火星に相当する重力レベルを人工的に作り出します。その環境の中で燃焼実験を行うことで、異なる重力条件が燃焼現象にどのような影響を与えるのかを調べることができます。

Q, 月面に向けては、どのように調査しますか?
地上やISSで実験したように、月面実験を予定しているのでしょうか?

A, NASAでは、将来的に月面環境で燃焼実験を行う計画が検討されています。具体的には、燃焼実験用のサンプルや装置を宇宙機に搭載して月へ送り、人の操作ではなくコンピュータによる自動制御で実験を行うことが想定されています。取得された実験データは通信によって地球へ送信され、地上で解析するという形になります。このような無人実験によって、月の重力環境で材料がどのように燃えるのかを調べることが期待されています。

Q, (前問に続けて)月面での実験はNASAが行う予定とのことですがコンピュータの数値シミュレーションなども常に使われているのでしょうか?

A, 数値シミュレーションも燃焼研究では実際に活用されています。例えば、燃焼現象を三次元空間で計算し、炎の挙動や流れ場を解析する研究が行われています。ただし、より高い精度でシミュレーションを行おうとすると、計算量が非常に大きくなり、計算コストが増えてしまうという課題があります。もちろん、非常に詳細な数値計算を行えば精度の高い結果を得ることは可能ですが、今回紹介した方法では、地上でいくつかの実験を行い、その結果を数式モデルに当てはめることで、さまざまな流速条件に対する燃焼性(U字型のグラフ)を一度に評価することができます。このように、数値シミュレーションにも重要な役割がありますが、計算コストなども考慮すると、実験と理論モデルを組み合わせることで効率的に全体像を把握できる点が、この方法の強みだと考えています。

Q, JAXAとは連携しているそうですが、科学レベル(の研究)から、今後規模の大きい建造物の燃え方(の研究)になってくると、例えば消防研究所との連携もあるのでしょうか?

A, 消防研究所(消防庁の研究機関)でも火災研究が行われていますが、主に地上の住宅火災や森林火災などを対象としており、宇宙環境を対象とした研究とは分野が大きく異なります。そのため、現時点では消防研究所と共同で研究を行っているわけではありません。現在の研究では、主に平らな試験材料を用いた基礎的な燃焼実験を対象としています。今後、宇宙空間での居住施設や構造物といった、より大きなスケールの燃焼挙動を考える必要が出てくる可能性はありますが、そのような研究を進めるには多くの課題もあり、今後検討していく必要があると考えています。

④将来の有人宇宙活動について

Q, 今日(2/22)は「猫の日」ということで、過去にネコが宇宙に行ったことがありますが、確か人間よりも必要な酸素濃度が高かったと思います。人間以外の動植物も宇宙に行くと考えた時、将来的には安全性の前提となる酸素濃度も更新していく必要があるということでしょうか?

A, 現在、国際宇宙ステーション(ISS)では、地球の大気と同様に1気圧・酸素濃度21%の環境が維持されています。一方、NASAが将来の宇宙船として検討している環境では、気圧を約0.5気圧まで下げ、その代わりに酸素濃度を約36%に高めるという設定が想定されています。これは、人間が必要とする酸素分圧を維持するためで、0.5気圧のまま酸素濃度を21%にすると、実質的には約10%相当の酸素しか得られなくなってしまうためです。気圧を下げる理由としては、宇宙船内部と外部の圧力差が小さくなるため構造材を軽くできることや、宇宙飛行士が船外活動を行う際の減圧の負担を小さくできることなどが挙げられます。そのため、将来の宇宙環境では現在よりも高い酸素濃度を前提とした研究や実験がすでに進められています。こうした環境条件の変化も考慮しながら、安全性の評価を行っていくことが重要になります。

Q, 今後、宇宙旅行が一般化すると、今の宇宙飛行士よりも楽な訓練で宇宙へ行けるようになると思いますが、消火器を扱う訓練は必須になり得るでしょうか。

A, 現在、宇宙飛行士は事故を想定した訓練を定期的に行っており、火災への対応として消火器を使用する訓練も含まれています。将来、一般の人が宇宙旅行をするようになった場合でも、非常事態への基本的な対応については、何らかの形で事前に訓練を受ける必要があると考えられます。実際に事故が起きた際、訓練を受けていなければ適切に対応することが難しいためです。
現在、国際宇宙ステーション(ISS)にはCO₂を放出するタイプの消火器が設置されています。ただし、CO₂は火を消す効果がある一方で、濃度が高くなると人が呼吸できなくなるため、新しい消火方法の研究も進められています。その一例として、真空を利用した消火方法が検討されています。真空タンクのバルブを開くことで空気を急速に吸い込み、その流れによって炎を吹き飛ばして消火するという方法です。このような方法であれば、宇宙船内の空気環境を大きく変えずに消火できる可能性があります。

Q, 国際宇宙ステーションが無くなった後、燃焼性が未知の物質が残ってしまった場合には、民間などで「火災(燃焼性)評価サービス」的なビジネスが生まれることもあり得ますでしょうか。

A, この技術を活用して、材料の燃焼性試験を請け負うようなサービスが生まれる可能性はあると思います。特に、宇宙で使用する材料の安全性を事前に評価したいというニーズは、今後の宇宙開発の拡大とともに増えていく可能性があります。一方で、この試験方法の大きな特徴は、地上での実験データから宇宙環境で燃えるかどうかを比較的高い精度で予測できる点にあります。そのため、現在のように宇宙で実証実験を行うことは重要ですが、将来的にはすべての材料を宇宙まで持っていって試験するという方法は、コストや時間の面からも現実的ではないと考えられます。その意味では、地上試験と理論モデルを組み合わせて燃焼性を評価する技術が整えば、宇宙開発を支える新しい評価サービスとして発展していく可能性もあるのではないかと考えています。

⑤その他&担当スタッフからの質問

Q, 工学のメイン領域というより他領域にまたがる珍しい分野なのかなと思い、この分野を小林先生が研究対象に選んでいった経緯を教えていただきたいです。

A, もともと私は、ブラックホールや星といった理学系の宇宙研究よりも、ロケットや飛行機などの工学的な分野に興味があり、大学では航空宇宙工学を専攻していました。大学院で研究テーマを決める際に、FLAREプロジェクトが立ち上がるタイミングでもあり、現在の研究テーマに配属されることになりました。その後も研究を続ける中で、このテーマの面白さや重要性を感じ、現在まで取り組んでいます。偶然のきっかけから始まった研究ですが、今振り返ると何かしらの縁があったのかもしれないと思っています。

Q, これから興味・関心をもって研究の道に進みたいと考える学生さんに向けて、先生のご経験からアドバイスなどいただけますでしょうか

A, 私は現在、大学で学生の教育や自分自身の研究に取り組んでいますが、もともと大学に残って研究者になることはあまり考えていませんでした。大学院には進学したものの、当時は一般企業への就職活動もしていました。そのような中で、指導教員から博士課程に進んでみないかと声をかけていただいたことがきっかけで、研究の道に進むことになりました。結果として今の仕事につながっていますが、振り返ると、そうした偶然の機会も大きかったように思います。ですので、目の前にある機会を大切にしてほしいと思います。また、強い興味や意志があるテーマがあるのであれば、それをとことん突き詰めてみることも大切です。幅広く何でもやるよりも、何か一つ得意な分野を持つことが、研究者としての強みにつながるのではないかと思います。

Q&Aは以上です。

質問をお寄せいただいた皆さま、ありがとうございました。

そして、たくさんの質問にお答えくださいました小林先生、本当にありがとうございました。先生のさらなるご活躍とFLAREプロジェクトの発展をお祈りしております。