家の中にある服をしらべる自由研究。
前回は服に使われている布を観察して、どのような作られ方をしているか調べる方法を紹介しましたが、さらに一歩進んで、服が何からできているか、どうやって洗濯するのかを調べてみましょう。
【調べ編~服のあつかい方】
服を着るときに、内側に縫い付けてある小さな布を見たことがありますか?よく見ると、文字のほかにいろいろなマークが書かれています。
タグといわれるこの布には、その服の素材や、洗濯や干し方の注意が書いてあります。つまり、この小さなタグが服の取扱説明書なのです。
上の写真は科学館の制服についているタグです。
服を作っている布地にはポリエステルという化学繊維と綿という天然繊維が使われていて、それぞれの繊維が65%・35%の割合で混ざっていることがわかります。
下にあるマークは「洗濯表示」とか「取り扱い表示」と呼ばれるもので、その服に適した洗濯のしかた・漂白のしかた・乾燥のしかた・アイロンのかけかた・クリーニングの種類を示しています。このタグの場合、左から「洗濯機・弱く・40℃までの水温」「漂白剤使用禁止」「タンブル乾燥(乾燥機)禁止」「日陰のつり干し」。下の段は、「アイロンしあげ可・110℃まで・スチームなし」「ドライクリーニング禁止」「非常に弱い操作のウェットクリーニング可」という意味です。この小さな布切れに、とても多くの情報が載っていますね。
他の服でも見てみましょう。左はTシャツのタグ、右は男性もののスーツのタグです。
Tシャツは、洗濯機でごく弱く、30度までの水で洗濯OK。漂白・乾燥器は禁止で日陰でつり干しという指示がされています。スーツはドライクリーニング(〇にFと書いてある記号)のみで、150℃を限度にアイロンしあげ可、ということがわかります。スーツがドライクリーニング以外ダメということは常識的にわかりますが、Tシャツでもタグを見るとデリケートな扱いを求められているものが意外とあるんですよ。
洗濯表示(取り扱い表示)は、2016年に国際規格に合わせた新しい記号に変わりました。家にある服を調べてみると、別のマークが書かれたタグのついた服も見つかると思います。古いマークは日本語も書かれていて、特に大人の方はそちらの方がなじみがあると思いますが、新しいマークは外国製の服とも共通しているので、一度覚えておくととても便利ですよ。
※新しいマークについては、消費者庁で詳しい説明の資料が公開されています。
-新しい洗濯表示(消費者庁)-
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/laundry_symbols.html
マークの意味やルールを調べて、自分でも家にある服の洗濯の仕分けをしてみましょう。自由研究が、家族の洗濯のお手伝いにもなりますよ。
服しらべのワークシートを用意したので、ダウンロードして使ってください。
洗濯表示ワークシート
※織りもの、編みものなどの違いは、服しらべ①を参考にしてください。
また、洗濯表示などマークについて本でも調べてみましょう
2017.03.05衣服本リスト
このリストは、2017年に多摩六都科学館で行った「ろくとほんとのワークショップ」で参考にした本のリストです。その中でも、服の素材や洗濯マークについて知るには、この本がおすすめです。
「ふくはなにからできてるの -せんいのはなし-」 佐藤 哲也 文/網中 いづる 絵 福音館書店
図書館で探して読んでみてくださいね。(この本については、「科学の本棚」でも紹介しています)
企画・制作:ろくとほんと
※「ろくとほんと」とは、多摩六都科学館と、科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」の有志のコラボで、2014年から科学と本をつなぐとりくみをしています。今回紹介した「服しらべ」は、2016年に多摩六都科学館で実施したワークショップを元に考えました。
科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」のブログページはこちら
https://honto-honto.blogspot.com/