ロクトリポート

「農と食の体験塾 大豆編2022」始まりました!

5月24日(火)に、「農と食の体験塾 大豆編2022」がスタートしました。
この講座は東大生態調和農学機構(旧東大農場)の協力もと、講義と農作業等の実習を通して、大豆栽培、生態調和型農業や東京在来大豆について学ぶものです。新型コロナウイルスの影響で、一昨年は中止、昨年度はオンラインで行いましたが、3年ぶりのリアル(対面)での開催に、市民、東大生態調和農学機構(以下機構)、多摩六都科学館で構成される実行委員会も緊張しながら準備を進めてきました。

第1回目の今回はオリエンテーションということで、22名の受講生が多摩六都科学館に集まり、まずは農と食の体験塾の活動概要やスケジュールの説明を行いました。

まずは農と食の体験塾の趣旨説明。以下のような目的のもと実施しています(一部省略)。

少し崇高な目的だと思われますが、栽培を通して農業の現在や実態を知り、考えるきっかけとしてもらうことを考えています。受講生の自己紹介では、「味噌作り」などの加工や大豆栽培のプロセスに関心を持っている方が多くいました。

続いて機構の矢守准教授から、生態調和農学機構の施設、研究内容や社会連携についてご説明いただきました。
西東京市に機構があることは知っていても、どんな施設があり、どんな人々が、何をしているところなのかを知る機会は少ないため、受講生にとっては、地域の大学機関について知るいいきっかけになったかと思います。

休憩を挟んで、今後大豆栽培の実習でお世話になる機構の手島技術専門職員から、在来大豆とは何かについてレクチャーしていただきました。塾では、育成品種と在来種どちらも栽培していきます。なぜ今、育成品種が流通しているのか、在来種を継承していく意義はどういうところにあるのか等、簡単に説明していただきました。

その後は、第一回目の実習です。
選粒(せんりゅう)は収穫したあとの大豆を「良い豆」と「良くない豆」に選別する作業。いい大豆を育てていくためには、種となる収穫後の大豆の中から、良質なものを選ぶ必要があります。ホームセンターやスーパーで大豆(種)を買う時は、とてもいい状態のものが入っていますよね。もちろん現代では機械が選別してくれますが、一粒一粒豆を手作業で選ぶことで、作業の大変さや収穫したものがいい状態の豆ばかりではないことを味わっていただき、その積み重ねが今の在来大豆の継承につながっていることを感じていただきました。

そして最後の大豆図鑑づくりでは、今回栽培する在来種・育成品種を含む大小、色、形様々な大豆、合計16種類の実物を台紙に貼り付けて、その特徴と性質を見比べることができる図鑑をみんなで手作りしました。

以上のように、第1回目は大変盛りだくさんの内容となりました。
今後1年間、講義と実習を通じて、このオリエンテーションや実習の内容について繰り返し、体と頭にインプットされる機会があります。その結果、「生態調和農学」とオープンサイエンス(社会に開かれた科学)について、徐々に理解を深めていただければいいなぁ、と実行委員は考えています。

次回は、とうとう機構の畑での播種が始まります。お楽しみに!