ロクトリポート

ダイヤモンドつくりに挑戦中! その35

「ラマン分光分析②」
ラマン分光の分析の解析結果を発表します!

(1)2014年7月9日のフィラメントにできた結晶

0709フィラメント電顕1

何か結晶らしきものが付いています。
拡大すると、結晶だな。という印象です。

0709フィラメント電顕2

この結晶のラマン分光の分析結果がこちらです。

0709フィラメント

解析の結果、
酸化タングステンだということが分かりました。
上の赤い方がデータベースの酸化タングステン。
下の黒い方が今回の分析結果です。
ピークの位置など、ほぼ同じです。

(2)2014年7月9日の基板にできた結晶

0709 基板電顕写真

このような、なにかができていました。
参考にしている文献に載っていた「ミラーボールダイヤモンド」というのに、
電子顕微鏡の写真はそっくりだったのですが。
こちらの分析結果は

0709基板やさしくレーザー

サンプルが焦げないように弱いレーザーを当てるとカーボンのスペクトルが現れました。 どうやら、表面に有機物がついているようです。残念ながらダイヤモンドではなさそうです。

レーザーを一定の強度に抑えると、カーボンのスペクトルが現れたことから、 表面には有機物が付着しているものと思われます。

0709基板強くレーザー

一方、レーザーを強く当てて表面の有機物を焦がして測定すると、酸化タングステンのスペクトルが現れました。
ミラーボール状の部分はタングステン由来の物質だったみたいです。

7月9日は、実験中にフィラメントがバチンと切れたので、
タングステンが飛び散ったのでしょうか?
基板にもタングステンが付着していたことから、
こんな目に見えないことが想像できるとは思っていなかったので
すごくおもしろかったです!

(3)2014年11月19日の基板にできた結晶

1119基板電顕写真

これが、いままで一番きれいな結晶なので期待の一品です!
この結晶の分析がこちらです。

下の青い方が工業用のダイヤモンドの分析結果で、
上の赤い方が今回の分析結果です。

1119分析結果

この分析の解析結果は・・・・
なんと、、、
ダイヤモンドでしたっ!
やりましたっ!
科学的にもちゃんと「ダイヤモンド」だと、認められました!

他のサンプルもいろいろ見てもらいました。
すすだと思っていたものが、すすというよりグラファイトに近いもので、
ダイヤモンドのなりそこないみたいなもの・・・・?
と、分かったり、ラマン分光の凄さがすごく分かりました。

解析にご協力頂いた日本分光に感謝致します。
特に斉藤さまと田村さまには、
本当に貴重なお時間を頂き、ありがとうございました!!

サイエンスチーム ささき