6月25日(土)、26日(日)に、科学学習室で工作教室「時計の部品の標本箱をつくろう」を開催しました。
標本箱というと昆虫のものを思い浮かべますが、今回並べたのは機械式の時計の部品。それも腕時計の部品なので、標本箱も5cm角のとても小さなものです。
機械式時計はぜんまいや歯車など数々の細かな部品が精巧に組み立てられてできています。今回の教室では、数多ある部品の中から代表的なもの11種類をシチズン時計(株)からご提供いただき、それらの時計の中での役割を学んでから、ラベルを添えて標本箱に納めます。
まずはシチズン時計(株)の木下さんから機械式時計のしくみと今回使うパーツについて解説していただきました(木下さんはお仕事で古い時計の修理やメンテナンスをされているそうです)。とても小さな部品ですが、それぞれにきちんとした役割があります。
一通り説明を聞いたら、いよいよ標本箱づくりです。
時計職人さんが実際に使うものと同じピンセットを使い、小さな部品をつまみ上げて、標本箱の中に並べます。小さな部品は1~2mm程度の大きさしかないので、部品を落としてしまってもなくならないよう、作業はすべてトレイの中で行います。
部品が何物かわかるように、近くにラベルを添えます。このラベルもとても小さいので、つまみ上げて並べるのも一苦労です(実は準備段階での印刷も大変でした)。
こうして部品とラベルを並べたら、スタッフから部品とラベルの組み合わせが正しいかどうかのチェックを受けます。合格だったら標本箱の中でずれないように、木工用ボンドを付けて固定をします。
ただでさえ小さい部品を、その精巧さ、美しさが伝わるように並べる美的センスも問われます。
そして全ての部品を貼り終えたら、標本箱のふたをかぶせて完成。
ここまで30~40分程度の作業でしたが、教室内は緊張感漂う静かな時間が流れていました。
部品の並べ方は自由だったので、完成した作品も人それぞれ。
とても素敵な標本箱が出来上がりました。
機械式時計の部品やしくみは、展示室3の展示物「時計のしくみ」でも紹介しています。科学館に来た際にはぜひチェックしてみてください。
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