ロクトリポート

農と食の体験塾2019 大豆編レポート~畝立と種まき

旧東大農場において、生態調和農学や都市農業における栽培技術、市民が参加するまちづくりについて「農」を通じて、学び、体験するプログラム 「農と食の体験塾 大豆編」。5月28日(火)に開講式を行い、2019年度の活動がスタートいたしました。
今年度の参加者は32名で、近隣にお住いの方から、大豆栽培に興味を持って遠くからいらっしゃる方、本業で農業をやっていらっしゃる方、学生さん、と、様々な方が集まりました。

5月28日(火)に学生宿舎での開講式、6月4日(火)に多摩六都科学館での選粒体験と大豆図鑑作りを行い、6月18日(火)にいよいよ圃場(畑)での作業となりました。
以下、受講生の伊藤さんによるレポートです。

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いよいよ、圃場での実習がスタートです!
雨で1週ずれこみましたが、当日は天気に恵まれ、播種の日を迎えることができました。

朝9時、学生宿舎前に集合。
塾生23名、実行委員6名、オブザーバー2名が参加しました。

はじめに参加者を6つにグループ分け。
各グループ1品種ずつ担当が割り振られました。
狭く深く、大豆の品種に愛着を持ってもらおうという計らいです。

生態調和農学機構技術部 技術専門職員手島氏から、今日のメニューの説明。

①圃場の測量
②区画に沿って目印のロープを貼る
③種まき
④鳥よけの不織布をかぶせる  と、盛りだくさんの内容です。

今年はこの約2.5アール(273㎡)の圃場で大豆を栽培します。
手島さんが前日に耕うんしたとのことで、土はフカフカ。
先週末に降った雨も手伝って、かなり良いコンディションだそうです。
(ちなみに、隣の圃場は刈り取った後の麦が鋤き込んでありました。今年は休耕して地力を回復させるそうですよ!)

今年は今までとやり方を変えて、畝(うね)立てはしないとのこと。
畝とは、作物がお互いに順調に成長するために水はけを良くするために並行に盛る土のことです。
圃場の水はけが良いこと、畝を立てることによる畝の曲がりにより農薬散布機を入れるのが大変になること、成長した段階での倒伏を防ぐための土寄せが難しいこと等、昨年の反省も踏まえて、平畝(ひらうね)で栽培することにしたそうです。


(ちなみに、去年までの畝立ての様子…かなり体力を使いそうですね!!汗)


設計図に沿って圃場を12の区画に分け、種をまく目印となるビニールテープを張るところから作業が始まります。

まず、畝の間隔が65cmになるように支柱を挿していき…

支柱に沿って一筆書きをしていくように、ビニールテープを張っていきます。
(この往復が大変!畝の本数分、行ったり来たり…)

初めての作業ということもあって、ああでもない、こうでもないと色んな意見が出ながら作業が進んでいきました。

陽射しも強いので、休憩と水分補給も忘れずに…。
畝の垂直方向にも、品種と品種の区切りができるようにテープを張ります。

完成!思わず拍手が…!

次はいよいよ種まき。
今回は、12品種のうち、
・比丘尼
・小笠原在来
・東京八重成
・エンレイ
・タチナガハ
・五葉茶豆
の早生6品種を蒔きます。

目印に張ったテープに沿って、30cm間隔に蒔いていきます。
1ヶ所につき、三角形になるように3粒ずつ。(1ヶ所に3粒蒔くのは、発芽率を上げるため、また、芽が生えた後により生育の良いものを残す(=間引く)ためです)
芽が出たときにテープが当たらないように、少し離して蒔きます。

種を蒔く位置が決まったら、

人差し指の第一関節ぐらいまで種を埋めてから…

周りの土をかぶせて軽く圧迫します。
この頃になると、すっかり陽射しも強くなって、表面の土は乾燥していました。

最後に、苦労して蒔いた種を食べられないように、鳥よけのシートをかぶせます。

幅が2.3mもある不織布をみんなで広げて・・・

風であおられないように、ペグでぴったりと固定していきます。

張り終わりました!

途中2回の休憩を挟み、3時間の作業が終了です。
お疲れさまでした!の記念撮影です。

無事に芽が生えますように…。
雨が降って欲しいと願うのは、これまでなかった不思議な気持ちです。

次回は2週間後7月2日の予定。
晩生の6品種の種まきと、手島技術専門職員の講義です。

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