ロクトリポート

羊の毛を衣服にしてみよう!

少し前の話になりますが…
10月14日(本来は12日よりの開催予定でしたが、台風19号のため14日よりの開催でした)から11月4日まで開催していた「つむぐ展」が無事終了いたしました。
ご来場いただいたみな様、ありがとうございました。

会場内では繊維を作る生き物や羊毛、毛や布にするまでの工程に使う道具などを展示しました。

繊維を作る生き物の展示。左がカラムシ、右が蚕です。

蚕には館庭で採集した桑の葉をあげていました。

羊の毛やヤギの毛

糸をつむぐためのつむぎ車

織機。これで布を織ります。

その中で、羊の原毛を展示していましたが。

まだ洗っていない羊毛

触っていただいた方はいますでしょうか?

触ってみると羊の体から分泌された油でべたべたしていたと思います。
この原毛のごみなどを取り除いて洗剤で泥や油を洗うと白いふわふわした毛になります。
そこで、企画展が終了したので、せっかくだからこの原毛を洗ってみることにしました。

ヒツジの原毛

さっそく毛についた汚れを取る作業(解毛)を始めます。

作業を始める前の羊毛は、茶色く、油でべたべたしています。
この毛を指でほぐしながらごみなどの汚れを取っていきます。

羊の毛には草などがたくさんついています。

全部を洗うのは大変だと思ったので、とりあえず展示していた原毛のおよそ4分の1ほどの量にしてみたのですが、それでも作業には4時間以上がかかりました。


何とか毛についた大まかな汚れやごみを取り除き、
次はこの毛を洗剤で洗い、泥や油を洗い流します。

60度くらいのお湯に洗剤を混ぜ、


解毛した羊毛を浸していきます。

入れるとすぐにお湯が茶色く濁りました。
このまましばらく付け置き洗いをして、取り出してみると。

だいぶ白くなりました!
しかしこのままでは洗剤がまだ残ったままなので、お湯ですすぎます。

一回目のすすぎ。まだ少し汚れが浮き出てくるので、すすぎを2回して、
その後脱水機に30秒ほどかけると、白くふわふわした羊毛になりました。

この羊毛を新聞紙に並べて乾かすと…

ふわふわの羊毛のできあがり!


洗う前の羊毛と見比べてみると

洗う前

洗った後

だいぶ白くふわふわになったのがお分かりいただけると思います。企画展ではこの様子は映像でご覧いただいていましたが、実際にやってみるとだいぶ手がかかる作業だと改めて思いました。この羊毛はこの後カーダーにかけ、糸にしていきます。
その様子はまたこちらでお伝えできればと思います。