ロクトリポート

赤い星・ベテルギウスの灯(ともしび)

赤い星・ベテルギウスの灯(ともしび)

12月3日(火)から、生解説プラネタリウムのテーマが新しくなります。

この冬プラネタリウムで取り上げるのは、冬の星座の代表格オリオン座の右肩に輝く赤い星・ベテルギウスです。実は、この星は近いうちになくなってしまうかもしれないと言われています。いったいどういうことなのでしょうか。

さて、まずはオリオン座が見える冬の星空の特徴をご紹介しておきましょう。冬の星空には様々な色で輝く1等星が多く、大変華やかです。

星は絵で描くとき、黄色くぬられてしまうことが多いのですが、よく見ると色に違いがあり、1つ1つ表情が異なります。私たち人間と同じように、個性があるのです。

実は星の色は、星の表面の温度に関係があります。例えば青白い色の星は温度の高い星、赤い色の星は温度の低い星です。さらに、星の色から星の年齢を知ることもできます。青白い色の星は若い星、赤い色の星は年を取った星です。赤く輝くベテルギウスは、まもなく最期を迎える星なのです。

ベテルギウスの最期の瞬間には、何が起こるのでしょうか。

また、私たちはその瞬間をどんなふうに知るのでしょうか。地上から空を眺めたら、いった い何が見えるのでしょうか。今回は、その様子をみなさんに体験していただきます。

ちなみに日本には星の最期の姿が記録された資料があります。藤原定家の記した「明月記」です。定家の日記としてつづられているこの書物の中には、ある注目すべき記述が残されているのです。定家は、現代を生きる私たちに何を伝えているのでしょうか。

さあ、冬は星を見るにはぴったりの季節です。暗くなるのが早いので長い時間星を見ることができ、また、空気がキリリと澄んで、星がより一層輝きを増します。プラネタリウムで星空の予習をしたら、今度は本物の星空の下で、ベテルギウスの輝きを見つめてみてください。