ロクトリポート

パズルと数学とプログラミングは結びつくのかな?

\ パズル島へようこそ /

2017年と2021年の夏は、多摩六都科学館では特別企画展「パズル島へようこそ」を開催しました。いずれの年も数学的な説明ができるパズルを用意しました。

これらのパズルに共通していることは、ルールがあって、そのルールの中で動かして、パズルが解けた状態がどうなっているかを自分の手と頭で考えてもらえるようにしたことです。

初めて体験するパズルの前では、子供も大人も同じスタートラインに立ちます。会場では子供も大人も集中して取り組んでいる様子が毎日見られました。

会場で楽しんでもらったパズルにまつわるエピソードを紹介します。

1、ハノイの塔

ピースの動かし方の法則に気づけば、解ける「かもしれない」パズルはハノイの塔です。理論上は、ドーナツ状のピースが何枚あっても法則に基づく繰り返しの動きとなるので、「解き方は知っている」ことになります。

解ける「かもしれない」と書いたのは、ピースの数を増やすと答えに至るまでの手数が増えて、ヒトの一生の時間をかけても解けないことがあるためです。

ハノイの塔の場合は、1枚増えるごとに約2倍の手数となります。ピースが10枚の場合、手数が1000を超えるので、途中でどこまで動かしたかを覚えるのも大変です。

回答までの手数が多いのであれば、コンピュータを使おうというアイデアもよさそうです。コンピュータは手数が増えても黙々と計算はしてくれます。しかし 、コンピュータだからといって、答えが出るまでに100年も1000年もかかる計算をさせるのは現実的ではありません。なるべく計算時間が短くなるようなプログラミングは、人間が考える必要があります。

困ったことに、計算時間が短くなるようなプログラムが存在しないと証明されている場合もあります。そんなパズルを解くときは、人間の経験や勘に頼って挑む方が良いこともあります。

2、ホフマンパズル

ルールで動かし方を制限している方が、かんたんなパズルになることがあります。例えば、ジグソーパズルは、ピースや盤面の角や端の形がよい手がかりになります。

一方、ホフマンパズルは、正方形の箱の中からはみ出さないように、27個の直方体のピースをつめこむパズルです。ピースは位置も角度も自由に置けるので、自由度が高いパズルです。

箱とピースを見ただけでは解くための手がかりは思いつきにくいと思います。良い手がかりが思い浮かんでいなくても手を動かして調べてみることが大事なパズルです。

パズルに興味を持ったら

パズルと数学とプログラミングはとても深い関係がありそうです。私たちの身の回りには、パズルそのものの他にパズルの要素を含むものがたくさん隠れています。パズルの奥深さがあることに気づくと、パズルについて知りたくなってきます。

・よく知られているパズルには、どのような仲間があるでしょうか。

・どんなパズルでも使える「手がかり」はありますか?

・パズルはどこの国や地域で遊ばれているのでしょうか。

・誰も解いたことが無いパズルはありますか?

・一番古いパズルは何ですか。

・自分で思いついたパズルを実際に作るにはどうしたら良いでしょうか。

・算数や数学の法則からアイデアを出したパズルはあるのでしょうか。

・パズルの研究者になるには、どんな勉強が必要でしょうか

などなど

パズルの研究者である上原先生にパズルのあれもこれも聞いてみたい方は、2022年12月4日に開催するこども科学Zoom相談「パズル さんすう すうがく プログラミング」に参加してみることをおすすめします。

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