ロクトリポート

見た目が金槌の頭のような「玄能石」 展示室5「地球の部屋」に標本を追加しました。

玄能(げんのう)とは金槌のことで、展示した石は金槌の頭のような見た目をしていることから「玄能石(げんのういし)」と呼ばれています。

この石は大部分が方解石という鉱物の小さな粒の集まりです。しかし、元から方解石として結晶したものではなく、イカ石(せき)などの仮晶だと考えられています。イカ石は、比較的冷たい水の中でカルシウムと炭酸と水が結合してできる鉱物です。仮晶とは、ある鉱物の置かれる温度や圧力の変化に伴って鉱物をつくっている粒(原子)の並び方や種類が変化しても元の鉱物の外側の形を保っているもののことです。つまり玄能石は、冷たい海の底などでできたイカ石が地層のなかで、外側の形を保ったまま方解石に変化したものです。何本かの玄能石が交差して星型になっているものもあります。

玄能石は、本州の北側と北海道の新生代の地層など、特に泥岩の地層から多く見つかっています。展示した玄能石は東京都あきる野市で見つかったもので、武蔵野市在住の塚田騎吉氏よりご寄贈いただきました。

※展示は予告なく変更になる場合があります。

【自然グループ 地学担当】