科学館にある雑木林が生まれ変わります!
多様な生き物が共生できる場として、新たな林を育てる計画を進めています。
■そもそも「雑木林」ってなんだろう?
雑木林は人が手入れをしてきた林です。 科学館がある地域は古くから「武蔵野」と呼ばれる草原でした。
江戸時代頃からこの地域で畑作が盛んにおこなわれるようになり、多くの人が住み始めました。
ガスがない時代、火を焚くのに薪などが必要となります。それを得るために畑の近くにクヌギやコナラを植えて林をつくりました。
防風の役にも立ち、落ち葉は畑にまく肥料として使われているなど、 この地域での生活になくてはならない林でした。
■雑木林のこれから
約10年の歳月をかけて生まれ変わる林。どのように変化していくのかを紹介します。
【現在】
大きくなりすぎた木が太陽の光を遮り、林全体が暗くなっている状態です。
地面には日が当たらなくても育つ草や木が広がっています。 倒木等の危険もあるため、高木を伐採していきます。
【1~5年目】
明るくなった地面から、様々な草や木が現れます。
切り株からも状態が良ければ「ひこばえ」が生えてくるかもしれません。 元々あったクヌギやコナラのドングリから苗木を育てて植樹します。
【6~10年目】
植物の種類が増えると、その葉や実、蜜を好む昆虫や鳥たちが集まってきます。
また落ち葉や朽ち木には虫や菌類がすみつきます。 多様な生き者同士がつながりあって生活する豊かな環境です。
【10年目以降】
芽吹きから10~15年経ったら、林の木を定期的に伐採します。 若木が育ちやすい明るい林が保たれます。林の縁や草地など様々な環境ができ、 より多様な生き物が集まる場所となります。
※この雑木林のリニューアルと駐車場新設に伴い、半年間ほど雑木林は立ち入り禁止になります。
ご迷惑をおかけしますが、生まれ変わっていく雑木林をあたたかく見守っていただけるとうれしいです。
イラスト:西原自然公園を育成する会と(株)エクラアニマルが制作中のアニメ「さくらとサクリン 雑木林のひみつ」より