「X線回折」
サンプルチェックは、当館の設備では
電子顕微鏡での形状の確認をする以外の確認はできません。
なので、ダイヤモンド「らしき」結晶ができたのではないか?
としか言えません。
科学的にダイヤモンドができた!と言い切るには
元素分析と結晶構造の解析をしなくてはいけません。
結晶構造の解析にもいくつかの方法かあるようですが、
その中のひとつに「X線回折」という方法があります。
結晶にX線をあてて回折するX線の角度から結晶構造を予測します。
今回、ある研究所にご協力頂き、
私が実験でつくったダイヤモンドらしき結晶を
X線回折で解析してもらえることになりました!
みてもらうのは一番の自信作の
2014年11月19日のサンプルです。
このような、
結構きれいなカタチの結晶です。
ただ、心配なのは、
Siの基板に蒸着していることと、
大きさが大きくても5μm程しかないことです。
しかも、ぎっしり敷き詰められてはいないということです。
これらの条件をお伝えしたところ、
キレイに解析できるかは分からないけれど、
サンプルそのままでみてもらえることになりました。
とある研究所の研究室にお邪魔して、実際に機械を見せて頂きました。
思ったよりも大きくてびっくり!
パソコンで制御して、データもパソコンの専用ソフトで見ます。
めちゃくちゃかっこよかったです。
同じサンプルを2通りの見方で解析してもらいました。
最初は入射角と反射角(回折角)の両方をかえていく方法(粉末法)。
この方法だとサンプルにしっかりX線があたる可能性は高いですが、
基板にもしっかりX線が当たるので、データから基板の分を考慮する必要があります。
X線の回折角が30°~100°の角度で分析してもらいました。
解析は1時間ほどかかりました。
もう一つが、薄膜法。
入射角は変えずに反射角をかえていく方法(薄膜法)。
この方法だとうまくすると、基板の影響を軽減して析出した結晶を強調した分析ができるそうです。
今回の入射角は3°としました。
回折角が30°~50°の範囲で分析し、40分ほどかかりました。
頂いたデータはこちらです。
横軸は走査した回折角です。
黒のスペクトルは前者の方法による結果で、赤のスペクトルは後者の方法による結果です。
このデータから何が読み解けるのか勉強しようと思います!
研究所にはさまざまな分析装置が置いてあり、とても楽しかったです。
サイエンスチーム
ささき