「ラマン分光分析②」
ラマン分光の分析の解析結果を発表します!
(1)2014年7月9日のフィラメントにできた結晶
何か結晶らしきものが付いています。
拡大すると、結晶だな。という印象です。
この結晶のラマン分光の分析結果がこちらです。
解析の結果、
酸化タングステンだということが分かりました。
上の赤い方がデータベースの酸化タングステン。
下の黒い方が今回の分析結果です。
ピークの位置など、ほぼ同じです。
(2)2014年7月9日の基板にできた結晶
このような、なにかができていました。
参考にしている文献に載っていた「ミラーボールダイヤモンド」というのに、
電子顕微鏡の写真はそっくりだったのですが。
こちらの分析結果は
サンプルが焦げないように弱いレーザーを当てるとカーボンのスペクトルが現れました。 どうやら、表面に有機物がついているようです。残念ながらダイヤモンドではなさそうです。
レーザーを一定の強度に抑えると、カーボンのスペクトルが現れたことから、 表面には有機物が付着しているものと思われます。
一方、レーザーを強く当てて表面の有機物を焦がして測定すると、酸化タングステンのスペクトルが現れました。
ミラーボール状の部分はタングステン由来の物質だったみたいです。
7月9日は、実験中にフィラメントがバチンと切れたので、
タングステンが飛び散ったのでしょうか?
基板にもタングステンが付着していたことから、
こんな目に見えないことが想像できるとは思っていなかったので
すごくおもしろかったです!
(3)2014年11月19日の基板にできた結晶
これが、いままで一番きれいな結晶なので期待の一品です!
この結晶の分析がこちらです。
下の青い方が工業用のダイヤモンドの分析結果で、
上の赤い方が今回の分析結果です。
この分析の解析結果は・・・・
なんと、、、
ダイヤモンドでしたっ!
やりましたっ!
科学的にもちゃんと「ダイヤモンド」だと、認められました!
他のサンプルもいろいろ見てもらいました。
すすだと思っていたものが、すすというよりグラファイトに近いもので、
ダイヤモンドのなりそこないみたいなもの・・・・?
と、分かったり、ラマン分光の凄さがすごく分かりました。
解析にご協力頂いた日本分光に感謝致します。
特に斉藤さまと田村さまには、
本当に貴重なお時間を頂き、ありがとうございました!!
サイエンスチーム ささき