ロクトリポート

真夏の屋上で見られた生き物の様子や痕跡

展示室5 地球の部屋にある展示物「ウェザーステーション」のセンサーは、展示室4 自然の部屋の直上の屋上に設置されています。破損や故障がないか確かめるために時々見に行きます。地上から高さ20mの屋上では、地上とは異なる生き物たちの様子や痕跡が見られます。

8月4週目に屋上に行った時の様子をお伝えします。

屋上から見えるシラカシの木には、緑色の葉がしげり、緑色のドングリが実っていました。秋には見慣れた茶色いドングリが地上に落ちるでしょう。

左手前に見える竹は、休憩室の高さよりも大きく成長しています。右手奥は2015年頃に更新作業を行った雑木林エリアの木々です。現在、木の見やぐらは休止中ですが、上に昇れたとしたら青々とした木々の樹上部分が見られるでしょう。

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サイズからカブトムシの脚だと思いますが、科学館にはほぼいないのでおそらくカラスが別の場所で捕まえ、屋上で食事をしていたのでしょう。

誰かのおとしものもありました。奥にも普通の大きさのフンが見えますが、それに比べるとかなり大きいので大型の猛禽の仲間がいたのかもしれません。

都市部でも見かけることがある甲虫の仲間のシロテンハナムグリが階段で力尽きていました。鉄の階段は太陽光の熱で触っていられないほど熱いため、猛暑の屋外は昆虫たちにとっても過酷な環境なのかもしれません。

コンクリートの屋上には生き物たちの食べ物になるものはほとんどなく、身を隠す場所も空調設備しか置いていないため、定住している生き物は少ないです。

多摩六都科学館の屋上は、飛行する生き物たちが立ち寄って休んだり、地域の林と林との中継地点にしていたりする場所なのかもしれません。