ロクトリポート

ZTF(ズィーティーエフ)彗星(C/2022 E3)の観望に挑戦!(2/7追記)

※この記事は1/21(土)に掲載したものに、2/7(火)追記したものです。

2023年1月下旬から2月上旬にかけて、ZTF彗星が明るくなると予想されています。明るさ5等級ほどになる予想もあり、肉眼でも見ることができるかもしれません。1月上旬には明け方の東の空に6等前後の明るさで見えていましたが、予想では明るくなりながら北へと位置を変え、1月下旬から2月初旬には北の空で一晩中見られる周極星となります。彗星は日々変化を感じられる興味深い天体なのです。

しかし、彗星の明るさを予測することは大変難しいようです。明るくなると言われた彗星が突然暗くなることもあれば、逆に予想を超えて突然明るくなる「アウトバースト」と呼ばれる現象が起こる事もあります。人間の予想を裏切る変化が起きるのも、彗星の魅力なのかもしれません。

スタッフも観望にチャレンジしていますが、1月上旬は月あかりのため条件が悪く…先週は天候が悪く…と、なかなか見ることができません。
ちょうどこの記事を公開した1月21日の明け方に双眼鏡で探しましたが、はっきりと「彗星だ!」という天体は残念ながらわかりませんでした。視野には入っていたのに、気づけなかったのかもしれません(流れ星はひとつ見えました!)。
明日の1月22日が新月となり、月明かりのないここ数日間は観望条件は良くなりますが、23日は関東では雪の予報もあるようです。少しでも晴れ間が見えることに期待しましょう。

これからのZTF彗星が見やすい時間帯は日付の変わる深夜から明け方にかけてです。寒い中での観察になりますが、この機会に彗星観望にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【2/7追記】当館ボランティアスタッフのSさんが撮影に成功しました!画像の左下にあるぽわっとした青白い光があるのがお分かりになりますか?(2/1早朝撮影)

<拡大したもの>

Sさんは当館で1/21に開催した「約90年ぶりの出現!ヘルクレス座τ流星群とは?~流星と太陽系天体~」(講師:渡部潤一先生(国立天文台 上席教授))を聴講されて興味をもたれました。北極星を目印に撮影を行い「何かそれらしいものが写ればいいな」という軽い気持ちで撮影してみたそうです(1枚目の画像の右側、明るく見える星のが北極星)。1月31日の早朝と、翌日の2月1日早朝に撮影を行い、部屋に戻って拡大をしてみると…「写ってるじゃん!」とてもうれしかったそうです。
また、撮影に慣れていなくても、とりあえず撮影ができることを実感したり、加えてそれを可能にするデジタルカメラの性能に改めて「スゴイ!」と驚いたそうです。(画像は彩度を上げ、ブルーを強く表現しています)

天文グループスタッフも、引き続き観察や撮影に挑戦していきます。

【ZTF彗星の位置の変化】(2/7追記)

2月10日 21時 西の空(おうし座周辺、火星の少し上)

2月15日 21時 西の空(おうし座周辺、アルデバランの少し左)

2月20日 21時 西の空(おうし座とオリオン座の間)

2月25日 21時 西の空(おうし座とオリオン座の間)

星図はステラナビゲータ/㈱アストロアーツ で作成