空中ゴマは磁石の力で浮かびながら回るコマです。
しくみの部屋に置いてあるボランティアの田邊さんが作った空中ゴマを見て、自分も実際に作ってみたいと思い、田邊さんと一緒につくることになりました。
この空中ゴマは1つのドーナツ形永久磁石と、5つのコイルでできています。また、コマも磁石でできています。
↑左から 永久磁石・コイル(浮遊用)・コイル(回転用)
永久磁石は磁界を変化させることができないため、コマの磁石と永久磁石との反発力が重力とつり合うよう大きなコイルで調整しています。
永久磁石はドーナツ形のため、中心付近にとても浅い磁界のくぼみがあります。コマはくぼみの一番低いところに落ち着く性質があるので、安定して浮き続けることができます。
↑浮遊原理 磁気ポテンシャル(多摩六都科学館ボランティア田邊さん作成)
コマは回り続けることでジャイロ効果によって安定した姿勢を保つことができます。この回転を維持するために、小さな4つのコイルを使って回転する磁界を与えることでコマは回り続けます。
多摩六都科学館の展示室3「しくみの部屋」にある空中ゴマは回転させるコイルがコマの横についていますが、今回作った空中ゴマではコマの下につけることにより空中で回っているコマが見やすくなりました。
さらに、コマを回す際にコイルが邪魔にならないため、回しやすくなりました。
↑今回作った空中ゴマ
磁界はその日の気温や湿度などの様々な要因によって変化するため、毎回起動させる際にコマを回すのに適した磁界に変化させる必要があります。
しかし、永久磁石は磁界を変化させることができないため、浮かすコイルと回すコイルにはそれぞれに可変抵抗器がついています。
↑右下:空中ゴマ装置本体
上に2つあるつまみのついた装置:可変抵抗器(左=回転用コイル/右=浮遊用コイル)
また、この空中ゴマ装置は水平な場所で使用しないとすぐに落ちてしまいます。
そのため、空中ゴマ装置本体には3個の足がついていて、それぞれネジをつけることにより高さを変え、水平にすることができるようになっています。
今後作る際には、水平を自動でとることができる仕組みをつけてみたいです。
作成:しひろ