ロクトリポート

秋の企画展 プラネタリウム100年~歴史としくみ~ 内容を少しだけご紹介!

プラネタリウム誕生100年を記念した企画展!

今年は近代的なプラネタリウムが生まれてちょうど100年。これを記念して、プラネタリウムの歴史やしくみにふれる秋の企画展が10月7日から始まりました。今回は先日開催した内覧会や企画展の様子をほんの少しお見せします。ここに来ればあなたもプラネタリウム博士になれるかも?

プラネタリウムの歴史

日本プラネタリウム協議会(JPA)がまとめた100年の歴史についてのパネルでは、プラネタリウムの誕生から、日本における広がりなどを紹介しています。この100年、科学技術とともにプラネタリウムは大きく進化しました。

会場に入ってすぐのところには、世界最初のプラネタリウム、ツァイスⅠ型の実寸大タペストリーを展示しています。当時、この機械が映す星空を目にした人々は大変驚き「イエナの驚異」と絶賛したといいます。100年前に撮影された写真を元に作成したこちらの展示で、ぜひ細部までをご覧ください。

昭和30年代には日本でプラネタリウムがつくられるようになります。このタペストリーは(株)五藤光学研究所の【GX-AT】の実寸大タペストリーです。このプラネタリウムは非常にたくさん生産されて、多くの人々に星空を見せてきました。

プラネタリウムのしくみ

プラネタリウムは星座を形づくる恒星を映す機構と、太陽・月・太陽系の惑星たちを映す機構があり、連動して動きます。100年前も別々の機構が連動して動くように開発されましたが、ここでは惑星の動きを再現するしくみを紹介しています。

惑星を映す投映機とそれらが並んだ惑星棚の実物を展示しています。これは5つの惑星、月、太陽を正しい位置に映すための装置で、モーターと歯車だけで天体の動きを再現します。何枚もの歯車が複雑に噛み合いすべてが連動するしくみですが、歯車の組合せを見ているだけでも楽しめるかもしれません。

プラネタリウムのしくみを簡単に説明する時には『光源から出た光が、恒星の位置にあけられたあなとレンズを通り、恒星として映る』と表現されることがあります。この『恒星の位置にあけられたあな』があいた板を「恒星原板」と呼び、今回展示しています。正確な星の位置にあけられており、オリオン座のように星座の姿を確認することもできますので、ぜひ会場で探してみてください。

※展示してる恒星原板の写真を、一部加工してあります

プラネタリウムには恒星原板を含めた「恒星投映筒」と呼ばれる恒星を映すための機構が複数設置されています。今回は多摩六都科学館で開館から2011年まで使われたプラネタリウム「ヘリオス」の恒星投映筒を展示しています。ヘリオスには32個の恒星投映筒があり、その1つから数百個以上の星を映しますが、ここでは実物の恒星筒で映す星を見ることもできます。実物を半分にカットしたモデルも隣に展示して、そのしくみを紹介しています。

淡い光で雲のように見える天の川を表現するために考案されたのが「天の川投映機」です。恒星投映筒とは別の機構で、地平線の下には天の川が映らないよう、下半分は水銀(液体状)が常に隠すしくみです。展示では斜めの回転テーブルに設置しており、水銀の様子もご確認いただけます。

日食や月食などの天文現象を表現する「日・月食投映機」も展示しています。この装置では、太陽や月に見立てた光を遮光板やフィルターで隠してそれを再現します。多摩六都科学館では使用されていませんでしたが、このような多様な投映機も展示しています。

星座絵を映す「回転式星座絵投映機」には予め星座絵をセットしておきます。解説中に台を回転させて星座絵を選び、ミラーの向きを整え、光源を点灯させ、更にミラーを微調整して位置を合わせますが、これを解説員が全て手動で行います。
多摩六都科学館ではコンピュータ―を使用しているためこの投映機は使用していません。

プラネタリウムでは解説するために画や図もドームスクリーンに映します。パソコンとビデオプロジェクターが普及する前は、写真フィルムも活用したスライドプロジェクターを複数台使用していました。展示しているのは以前多摩六都科学館で使用していた実物で、今も映写することが可能です。

プラネタリウムを体験しよう

プラネタリウムの投映には「ピンホール式」と呼ばれる方式があり、ここでは紙コップを使用したピンホール式プラネタリウムの簡易版を体験できます。おうちで作ることもできるように、作り方も紹介しています。

前述の通り、プラネタリウムでは恒星原板を通った光で星を映します。恒星原板と同じように星の位置にあけられた穴にビーズをあてはめて、星座を完成させましょう。こちらもおうちで作ることもできるように、作り方も紹介しています。

体験コーナーには、コンピューターとビデオプロジェクターで映す「小型デジタルプラネタリウム」も展示しています。ボタン操作で星座の絵や線を出したり、時間を進めたり戻したり、オーストラリアから見える星空を映すこともできます。プラネタリウム解説員になったつもりで操作の体験をしてみましょう。

秋の企画展「プラネタリウム100年~歴史としくみ~」
開催期間 : 10月7日(土)~11月5日(日) 9:30~17:00 (※10/10(火)、16(月)、23(月)、30(月)は休館日)
会  場 : イベントホール
協  力 : 日本プラネタリウム協議会(JPA)、(株)五藤光学研究所、なかのZEROプラネタリウム、GOTO image works(株)、(株)アストロアーツ、(株)オリハルコンテクノロジーズ

関連イベント「全国一斉 プラネタリウム100周年 記念イベント」
開催日時 : 10月21日(土) 18:45~19:50【多摩六都科学館】
詳  細 : プラネタリウム100周年記念事業HP
申  込 : 応募フォームはこちら

プラネタリウム 「ロクトのプラネタリウム大解剖!」
【2023年12月22日(金)まで投映中!】
※当日の星空解説あり、全編生解説

大型映像「宇宙の模型 プラネタリウム誕生物語」
【2023年11月7日(火)から上映スタート!】
※星空解説なし、ナレーション:坂本真綾