西東京市にある東京大学生態調和農学機構と、市民、多摩六都科学館の三者が実行委員会形式で企画している「農と食の体験塾」。7月9日(火)は芽が出た大豆の苗の間引きと、除草の作業を行いました。以下、実行委員からのレポートです。
早い時間からの猛暑が予想されたため「実習の作業は30分程度に」というお知らせが前日に届きました。できる限りのcoolアイテムを持参して家を出ましたが、想定とは裏腹にときおり心地よい風も吹く曇天。圃場には草丈30センチほどに育った大豆が整列していました。
[間引きと除草]
この日の作業は主に「間引きと除草」です。「間引き」は株が成長したときに混み過ぎないようにするために株間の距離を適正にする作業です。自分が履いている靴の長さを目安にして株間の距離を30センチ弱開け、中間にある株をハサミで切ります。切る位置は双葉よりも少し下のところです。切り取った株は、後日機械で“中耕培土”(ちゅうこうばいど/除草と土寄せを同時に行う作業)するため、そのまま圃場に置いておいても構わないし、持ち帰って食べてもよいとのことで、持ち帰る人もいました。おひたしや 炒め物にしてもおいしいそうです。
技術職員さんのお手本を見て、間引きする間隔や苗を切る位置を把握
経験者からレシピを聞いて、間引いた苗を持ち帰る人が何人もいました
[除草]
畝と畝の間に生えた雑草は機構の技術職員の方々が既に除草してくださっていたので、この日はまばらに生えた株間の雑草を手でつまんで除草しました。大豆の茎(胚軸)の根本部分に残っている黄色くなった双葉(子葉)は鳥がもう食べないので、“鳥追いカイト”はお役御免となります。
機械で取りにくい苗の根本の雑草を抜いていきます
[観察]
間引きと除草を終えたところで、大豆の育ち具合や色・形の違いなどを改めて観察しました。他の品種にくらべてタチナガハの発芽率がよくなかったのか丈が小さいようでした。葉の形も様々で、錫杖豆は細長く、鞍掛豆は全体的に丸みを帯びていました。五葉茶豆の葉はおおむね3~4枚でまだ“5葉”にはなっていませんでした。品種による軸の色の違いも観察しました。軸が白い東京八重成、小笠原在来、日の丸大豆、錫杖豆、里のほほえみの5品種は白い花が咲き 紫色の他の品種には紫の花が咲くとのこと。7月下旬から8月上旬に早生と中生の花の観察ができるかもしれないので楽しみです。
あっという間に30分が経過し、猛暑に見舞われることもなく作業を終了しました。まだ何かできそうな“気持ちと体力”を持ち帰りました。
次回7月23日(火)は 暑さ対策のため 8:30作業開始です。