ロクトリポート

はやぶさ2、リュウグウへ到着!

本日(6月27日)午前9時35分、小惑星探査機「はやぶさ2」が目的の小惑星「リュウグウ」へ到着したことが発表されました。
(「リュウグウ」の上空20kmのホームポジションへの到着)

2014年12月3日に打ち上げられた「はやぶさ2」が、3年半(1302日)の宇宙の旅を経てようやく「リュウグウ」へ到着したのです。
今回のロクトリポートでは、「はやぶさ2」がどのように宇宙を旅してきたのか、その道のり(軌道)を紹介します。

まずは、こちらの映像をご覧ください。
青い線は地球が太陽をまわる軌道、緑の線が「リュウグウ」の軌道、赤い線が「はやぶさ2」の軌道を表しています。(「はやぶさ2」の軌道がオレンジ色になる部分はイオンエンジン運転期間です)

注)「はやぶさ2」の軌道は公開されている軌道情報から再現しています。
  (公開されている軌道情報が2018/6/5までのため、2018/6/6以降の軌道は「リュウグウ」の軌道です)
    「はやぶさ2」の姿勢は正確ではありません。    「はやぶさ2」と地球・太陽の大きさは強調してあります。

「リュウグウ」は地球よりも遠いところで太陽を回ります。
「はやぶさ2」は少しずつ加速をして、太陽のまわりをぐるぐる回りながら地球よりも外側の「リュウグウ」の軌道へ近づいて行ったのです。
でもこれは遠回りではありません。
太陽の大きな重力の中を旅するためにはこの軌道がとても効率がいいのです。

次は、別の角度で「はやぶさ2」の旅を見てみましょう。

地球の軌道に対して、「リュウグウ」の軌道は傾いています。
「はやぶさ2」は、螺旋を描くように「リュウグウ」へ近づいて行ったのがわかりますね。
ただ、上のどちらの図も線が多かったり見えない部分があったりして、「はやぶさ2」の軌道全体が少しわかりづらいです。

最後に、特別な軌道の図を紹介します。
今年3月に多摩六都科学館で行った「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャー津田雄一先生の講演でも紹介されていた図です。
一番上の映像と並べていますので、比較してご覧ください。

映像の左側が太陽を中心にした「はやぶさ2」の軌道、右側が、太陽を中心に地球も固定して見た「はやぶさ2」の軌道です。
 

注)カメラを回して地球の公転を打ち消して疑似的に地球固定を再現しています。

一見するとなんだかわからない図に見えてしまいますが、地球から「はやぶさ2」がどれだけ離れているか、どの向きにあるかというのが一目でわかるようになっています。
画像の通り、今年(2018年)の12月ごろに地球から見て「はやぶさ2」が太陽の向こう側になり、通信が難しくなる期間が来ることもわかります。

これからも色々な方法で「はやぶさ2」のミッションを紹介していきますので、ぜひ科学館のSNS・ロクトリポートにご注目ください。
現在上映中の大型映像「HAYABUSA2 -RETURN TO THE UNIVERSE-」、全編生解説プラネタリウム「小惑星ってどんな星?」もおすすめです。

2つ併せてぜひお楽しみください。 上映は終了しました。