ロクトリポート

スタッフが作ってみた!はじめての昆虫標本-コガネムシ編-

みなさん、こんにちは。厳しい残暑が続いていますね。夏休みの宿題もラストスパートを迎えている頃でしょうか?

「昆虫標本を作ってみたい!…でも、作り方がわからない。標本にするカブトムシやクワガタが家にいないし、難しいのかな?」
と思っている方も多いのではないでしょうか?

大丈夫!身近にいる昆虫でも、初めての人でも、昆虫標本は作れますよ!!

昆虫標本はきちんと保存されていると年くらい残ります。また、外国産のカッコイイ昆虫でなくても、近所で捕まえた地味な昆虫の標本を作ることで「ここの地域にこんな昆虫がいた!」という記録を未来に残すことができるのです。

というわけで、今回はこのクロコガネ(コウチュウ目コガネムシ科)の標本を、昆虫標本初心者のスタッフが作りました。

このクロコガネはふつうに家の周りにいる昆虫です。夏の間はよく地面に落ちていますよ。

使った道具はこちら。

・形を整える道具(昆虫針、マチ針、針がさせる板)

・保存する道具(タッパー、防虫剤)

昆虫針は標本専用のさびない針です。ネット通販で買えるほか、夏休み中は科学館のエントランスに出店している「むし社」さんのブースでも買うことができます。

板は食品トレーの平らなところを切って、貼り合わせて作りました。

作る手順は

1.昆虫の体を柔らかくして

2.形を整えて乾燥させて

3.保存する。

です。

まず最初に、昆虫の体を柔らかくします。

死んでから時間が経つとカチコチに固まってしまい、無理に動かすと脚や触角がポキッと折れてしまいます。

そうならないように、水に一晩つけて柔らかくしました。かなり動かせるようになるのでちょっとびっくりしますよ。

次に、形を整えて乾燥させます。

昆虫の体に昆虫針を一本刺して板に固定します。意外と固いので、指をささないように気を付けてくださいね。

触覚や脚をカッコイイ位置にもってきて横からマチ針で抑えるようにとめていきます。細かい作業なので手が緊張でプルプル震えました・・・。

整形完了(だいたい30分くらい)!

整え終わったら乾燥させます。風通しの良い、日の当たらないところで1か月くらい乾かします。

この標本は7月31日に作ったばかりなので、現在も乾燥中です。

乾かしている間に、その昆虫の住んでいる環境や生態・捕まえた場所の環境などを調べたら自由研究になるかもしれませんね。

最後に、保存。

そのまま置いておくと他の昆虫に食べられてボロボロになってしまうので、タッパーにラベル・防虫剤と一緒に入れて密封します。ラベルにはその虫の種名、捕まえた場所・日にち、捕まえた人の名前を書いておきます。

ラベルはこの標本を「標本」として残すためにとても大事!!これがないとせっかく作った昆虫標本が「ちょっと形がキレイなただの死骸」になってしまいます。

さて、今回初めて昆虫標本を作ってみたのですが、意外と簡単にできました!形を整えていくところだけ少し難しいと感じましたが、昆虫針以外は専用の道具を使わなくても作れました。

昆虫標本はいろいろな作り方があるので、気になった人は調べてみてください。

今年の夏の企画展「ロクト大昆虫展2019」の中にも昆虫標本関係の展示があります!

そちらもぜひご覧ください。

インタープリターチーム U