東大演習林で行われた薪ストーブのレポートをしましたが、
このイベントと同じく、大学・市民・科学館の三者主催の企画を夏にも行っていました。
この機会に簡単ですがレポートします。
昨年の夏、8月4日(火)に、
「東大農場・演習林子どもサマースクール~夏の田んぼと林を探検しよう~」
というイベントを行いました。
東京大学生態調和農学機構の農場とその隣の田無演習林をフィールドにした
丸一日かけた野外観察会です。
午前中、まず農場のハス見本園や水田を見学しました。
水田は研究用のため普段は関係者以外立ち入り禁止の場所なのですが、
特別に入らせていただいて、イネの花や田んぼの生きものを観察しました。
「田無」という名の通り、水田のほとんど無い地域には珍しい田んぼで
貴重な観察ができました。
炎天下から昭和初期に建てられた学生宿舎に移動して
イネに関する講義をしていただきました。
さまざまな品種のモミの実物等、めずらしいものを見せていただき
エアコンも網戸もない部屋ながら、みんな集中して講義を聞いていました。
あわせて、会場となった古い木の建物にも興味津々でした。
午後は、まず草地の見学とバッタなどの虫取りをしました。
ここも普段は入れない場所で、研究用にわざわざ土を運び込んで
草地がどのように変化していくかを観察している場所です。
たくさんのバッタやイナゴがいて、虫取りは初めてという参加者も夢中で虫網を振っていました。
その後、周りを木で囲まれた演習林に移動。
それまでの焼けつくような暑さから、木陰の涼しく湿った空気に触れて
開けた田んぼや草地と、森林の環境の違いを体感しました。
こちらでも先生から、森と私たちの生活をテーマに
「椀と碗の違い」「アイスキャンデーの棒は何の木か?」など
興味深いお話をしていただきました。
最後にもう一度農場に戻り、
昔の道具がたくさんおさめられた農場博物館を見学して終了。
とても暑い日でしたが、
参加者には一日じっくり動植物や土・水と触れ合える機会となったようです。
今後もこの三者でいろいろなイベントを開催していきたいと思っていますので
ご注目ください!
自然チーム K