科学の本棚~科学と出会う・世界と出会う~

チューリングと超パズル 解ける問題と解けない問題

『チューリングと超パズル 解ける問題と解けない問題』/田中 一之 著/東京大学出版会

【私の一冊】成田/研究・交流グループ(ラボやサイエンスカフェ、企画展などの企画・運営、展示物のメンテナンスの手配など、いろいろなことに取り組んでいます)

『チューリングと超パズル 解ける問題と解けない問題』/田中 一之 著/東京大学出版会

 高校生の頃に数学の道を志した同級生のY君は、現役の数学者です。Y君と「数学をもっと普及させる方法はないかな」と雑談をする中で紹介されたのが、Y君の師匠である田中一之先生でした。

 今回紹介するのは、田中先生の著書「チューリングと超パズル 解ける問題と解けない問題」です。

 複数のパズルを取り上げて、それぞれ考察していくスタイルですが、パズルが特定の条件では解けない場合に理由をしっかり考察するという点が特徴的です。

 Y君や田中先生は、数学者がもっとも興味があるパズルは、「解けない」パズルで、なぜ解けないかを突き詰めて考えるが楽しい、と言います。それがそのまま本になったのでしょう。

 この本も参考にしながら、Y君と共に約3年間かけて構想を練り、2017年夏の企画展「パズル島へようこそ!解ける?解けない?パズルの不思議」を開催しました。会場では、大人も子供もじっくりパズルに取り組む光景が見られました。パズルの中に、数学のロジックを感じてもらえたものと思います。

2017年夏の企画展「パズル島へようこそ!」詳しくはこちら

※「パズル島へようこそ」の会場でみなさんに取り組んでもらった「正12面体のパズル」