ロクトリポート

農と食の体験塾2018「大豆編」第16回レポート

旧東大農場において、生態調和農学や都市農業における栽培技術、市民が参加するまちづくりについて「農」を通じて、学び、体験するプログラム 「農と食の体験塾 大豆編」。
第16回では、大豆の脱穀作業が順調に進み、畑からは最後3品種の収穫を行いました。

以下、記録係の嶋川さんのレポートです。

【第16回 大豆収穫・脱穀】
日時 :2018年11月6日 午前9時~12時
場所 :東大生態調和農学機構 調整施設の軒下空間・圃場にて
内容 :脱穀(2品種)、収穫(3品種)
講師 :手島さん(東大生態調和農学機構)/参加者18名程

◇朝からあいにくの雨です。脱穀班は大きな軒下での雨を避けての作業、収穫班は雨中の作業となりました。

今日で栽培12品種の全株が収穫され、地表面の畝が全部見えるようになりました。安堵感とともに、少し寂しさも湧いてきます。
1 収穫したものを運搬

脱穀 / 「目黒」、「みすず」の脱穀、選粒を行いました。
・前回と同じく、脱穀には3種の機械を使用します。
 ①足踏脱穀機 ②唐箕(トーミ/風選) ③大豆選別機
 2 脱穀作業風景

・今回は“大豆選別機”に注目してみます。
水平面よりXY軸共に少し傾きを持った回転する凸凹なゴムベルト上での大豆の転がりの違いで大豆を選り分ける仕組みです。
4 選別機
良く乾燥した健全な大豆は真球に近く、乾燥が不十分なものはラグビーボール状な事を利用した装置です。
真球に近い大豆はどの方向にも良く転がりますが、扁平・楕円球は転がり難いし凸凹にハマりやすい。形が歪なものは転がり難くなるため、選別口までたどり着けず、結果、弾かれます。
何故、乾燥すると真球に近づくのか不思議です?

・今日最後に脱穀作業を行った品種「みすず」は乾燥が不充分(?)だったのか、莢を揉んでも割れ難く、一莢づつの手開き作業となり皆苦労していました。豆を指先でつまむと弾力があり、色も生っぽい感じがします。
一粒の大豆を獲る苦労を実感すると共に、人間の手作業の万能性を改めて知る処となりました。
3 脱穀手作業

・収穫量 「目黒」 約2.7kg/「みすず」 約3.8kg
角桝に平らに敷き並べて、このまま送風乾燥庫へ。
7 脱穀済みみすず

◆収穫 / 在来種の「錫杖豆」、「五葉茶豆」、「虎大豆」を全株収穫しました。
・帯状茎が特異な「錫杖豆」を収穫してみて、その歩留まりの悪さには驚きました。希少種なだけに味に期待です。ネットに入れて機械送風乾燥庫へ。
・暴風対策用の鉄パイプとビニル紐も同時に撤去し、鉄パイプは倉庫へ。
5 支柱撤去

6 圃場見取り図

↑今更ながら、圃場の12品種の大豆栽培レイアウト (播種時にこの紙を定規代わりに使い土だらけです!)

※次回11/13 有志による脱穀作業予定です。