ロクトリポート

カイコ はじめての飼育観察日記 ~番外編・色付き繭~

色付きの繭

2020年にカイコを育てて以来(詳細はコチラ)カイコや絹に興味が湧き調べていると、白ではなく「色付きの繭」をつくるカイコの仲間がいると知りました。ただ、とても特殊なので実物を見ることは難しいと思っていました。

が、、、縁あって、

そんな珍しい「色付きの繭」をつくるカイコを東京農工大学科学博物館さんから頂く機会があったので紹介します!

かわいいピンクの繭 緋紅

幼虫は頭や足の部分など黄色い模様が入っています。この黄色もレモンイエローのような鮮やかな黄色でステキです。以前飼っていたカイコのようなスペースシャトル感はなく、さわやかな印象です。写真を見て気づいたのですが、桑の葉の茎の部分の黄緑に近い色をしていますね。

みんな幼虫最後の時期に、科学館の庭にはえている桑の葉をもりもり食べました。

この子たちが作った繭がこちらです。

あわいピンク色の繭をつくりました。和な感じのかわいいピンクです。
ほんとに色がついていて驚きました。不思議。

あわい上品な黄色 伊黄繭

幼虫は、実用品種の普通のカイコに似ています。ただ、少し小ぶりな印象。

この子たちがつくった繭がこちら。

あわい黄色です。すごく上品な繭ですね。
まわりのふわふわの糸を1本ずつ見ると、白にも見えるのですが繭は黄色です。糸を吐くだけでも不思議ですが、色が種類によって変わるなんて本当に不思議ですよね。

華やかな黄色 金色

最後はその名も「金色」という種類です。名前の期待値が高く繭になるのを楽しみにしていました。幼虫は一番白かったです。うっすら黄色い模様も見えますが緋紅に比べると控えめです。(ピントが合っておらずすみません。。。)

この子たちがつくった繭がこちらです。

びっくりするぐらい濃い黄色でした。華やかさが桁違いです。
はじめて見る方は染めたの?と思うぐらいの黄色です。1本1本もしっかり黄色に見えます。

さいごに

多摩六都科学館には最終幼齢(繭を作る直前の段階)でやってきたのですが、全体的にほっそりスリムで、以前観察していたものより小ぶりに見えました。小ぶりのまま繭をつくったので驚きました。そして、繭も以前飼っていた普通のカイコがつくるものより小さく見えました。

大きな繭を作る普通のカイコは機械化した近代の絹産業を支えるために改良されている家畜なんだと改めて感じました。

色付きの不思議さは本当におもしろいです。繭に付いている色は桑の葉の色素が糸の元になる絹糸腺という器官に入ることで出ているようなのですが、同じ葉を食べて同じ色の糞を出しているのに、繭の色にこんなに違いが出るのは驚きです。

ただ、桑の葉を観察していると確かに、最初のみずみずしい時は黄色みがかった鮮やかな緑をしているし、枯れかかってしわしわになるとうっすらピンク色が混じった緑になってくるな。と思ったので、桑の葉の中にもいろいろな色素が入っているのかな。と、思いました。

東京農工大学科学博物館さん、貴重なカイコを譲ってくださりありがとうございました。