ロクトリポート

農と食の体験塾 大豆編2023 【待ちに待った種まきの日】

農と食の体験塾 大豆編2023、6月27日(火)に東大生態調和農学機構での実習が始まり、種まきを行いました。以下、実行委員からのレポートです。播種

農と食の体験塾で使わせていただく畑(業界用語:圃場=ほじょう)がある東京大学生態調和農学機構は、最寄りのバス停から約5分、田無駅から歩くと約20分のところにあります。集合時間には出席予定の全員がそろっていました。塾生の意気込みが梅雨時の湿度と温度に勝る証拠でしょう。

作業の開始時間になり、いよいよ畑に移動です。案内してもらった畑の第一印象は「いやされる~」でした。そこは広々した開放空間で、足元は真っ平に耕されたほどよく湿り気のある柔らかな土。今回の大豆栽培では平畝といって、高く盛り上げた畝(うね)を作らず、平らな畑に種をまいていきます。大変な畝作りをすっ飛ばして、種まき(業界用語:播種=はしゅ)できるとは、恐縮×感謝です。

今回育てる大豆は13種。品種が混じらないように、木の札にマジックで大豆の名前を書いて畑の端に70cm間隔で立てていきました。今年栽培するのは、東京在来大豆は「青梅在来」「みすず」「目黒」の3品種、そこに育成品種の「エンレイ」「タチナガハ」と他の地域の在来種「五葉茶豆」「虎大豆」「くるみ豆」「日の丸大豆」「錫杖豆」「鞍掛大豆」「馬のかみしめ」「丹波黒大豆」を加えた全13品種です。

次にその札を目印にして、それぞれの種をまいていくライン引きです。やり方はメジャーを木札の脇から畑の長さ分引き出して向こう側まで渡し、その上を外れないように長靴で踏んで、へこみ(まき穴)を作ります。塾生が手分けというか足分けをして進みました。畑の土がフカフカなので、緊張してメジャーの上を歩く塾生の中には思わずよろける姿もあり、一直線に歩く難しさを知った畑のランウェイ。

種(大豆)は15cm間隔でまいてくださいと言われたものの、正確に測るわけではなく各々の勘頼りで、これも意外と難しい。


その後、種をまたいで立ち、両足を交互に使って土寄せをして(業界用語:覆土=ふくど)種を土の中に埋めました。この道を究めている機構の専門職員さんはいとも簡単にやってのけますが、初めての塾生にはちょうどいい土のかけ具合がつかめない、楽しくも難しい作業でした。覆土に続いてやるのが鎮圧で、雨などで種が地表に出てこないよう、種にかぶせた土の上を踏み、圧をかけて種と土を密着させました。

一般的には種まきの後は防鳥ネットを張り、まいた豆や芽吹いた双葉を鳥に食べられないようにするのですが、ここでは鳥追いカイトに豆を守ってもらいます。

機構の技術職員さんが、畑の傍らで鳥追いカイトを寡黙に組み立ててくれました。鳥追いカイトは鷹のよう。シックな紫がかった茶色です。風をうけてブンブン舞う姿は東大農場通りからフェンス越しに見えます。

2週間後の次の活動日には、大豆が芽吹いて本葉が出るくらいまで育っている見込みなので、間引きにより苗の間隔を30cmにする予定です。がんばれ大豆!頼んだぞ鳥追いカイト!