東大生態調和農学機構の圃場で収穫した大豆の脱穀作業が終わり、今回は落ち着いた環境でじっくり選粒作業を行いました。実行委員からのレポートです。
12月19日、朝冷えと共に寒い1日になるとの今日の気温予報です。カイロを要所々々に貼り、気合を入れて参加。今年最後の作業日です。9時半に南側キャンパスに集合、参加者17名が揃ったところで北側キャンパスの調製施設に移動。今回の作業は室内に暖房が入っていて…恵まれた体験学習となりました。作業環境は、テーブルが4カ所配置され、選粒に必要な道具類もすべて揃っていました。すぐに作業に入れるように、いつも事前準備をしていただいている技術職員の手島さんと石塚さんに感謝です。道具:はかり、バケツ、ふるい4.9㎜(極小粒)、5.5㎜(小粒)、7.3㎜(中粒)、7.9㎜(大粒)の4種類、各豆がくぼみに収まり選粒の最終確認がしやすいようにと準備された苗箱等が用意されていました。始める前に、手島さんより今日選粒する大豆7種類(みすず、虎大豆、馬のかみしめ、錫杖豆、鞍掛、五葉茶豆、青梅在来)のお知らせと作業手順の説明が有りました。
1.各豆をバケツに入れ替え各全量を測る(バケツの重さ450g分を記録時に引く)
2.各テーブルは各1種類とし、豆の大きさに合ったもの以外はふるい落とす品種毎に豆の大きさが異なるため、サイズに合ったふるいを使用(鞍掛大豆、馬のかみしめ、くるみ豆は、豆が扁平なのでふるいにくいですが…)
3.ふるい後、どのレベルの種を残すのかはメンバーで議論して決める
4.苗箱で一粒ずつ虫喰いや傷み、割れのない豆を最終的に選ぶ
5.4の量を測る
以上の説明後、作業開始です。
4種類の豆を順次計量し、各テーブルに1種類ずつ置きます。1テーブル4~5人が担当。みなさん、1~5の順番を丁寧に作業されています。
最後の苗箱での一粒ずつの確認を行い終了です。
ここで選ばれた豆が当塾でのA級品となります。
おしゃべりも少なく、皆さん緊張しながらただただ豆に集中しての作業でした。これがワンクール。
残り3種類の選粒を繰り返し行います。皆さん豆に目が慣れ少し余裕が出てきて、少しおしゃべりをしながら楽しく作業が進みました。
※原産地が明確ではない品種
今年も長野県の在来大豆・五葉茶豆の収量が極端に少なく、品種的にこの地域での栽培が合わないのかな?との意見が出ました。半面、青梅在来大豆は関東在来種のためか多収でした。
手島さんからの説明によると「日本では作物の収量比較の目安として、10a(=1反)当たりを基準とします。例えば、大豆の反収は全国平均169㎏(北海道含む)。北海道のみであれば235㎏。今年度の大豆編は、190㎡の畑に大豆13品種、1品種当たり約15㎡です。だいたいですが、10a当たりに換算すると205㎏となり、本州ならばまずまずの収量です。」とのこと。
ドライアイになりそうな作業でしたが、市販されている大きくてつやがあり皮の破れが無い丹波黒大豆は、私たちが選んだA級品の中でもほんの僅かであることに驚きました。昼頃には気温も緩み、北側キャンパス門から見える南側キャンパスの博物館横にうっすらと麦が育ち始め、今後のその景観を楽しみに帰路につきました。