科学館の庭の雑木林リニューアルに伴い、2017年から雑木林再生エリアの昆虫調査を始めました。草地の環境から林になっていく過程での昆虫の変化を季節ごとに調べていきます。
今回は通算30回目、夏の昆虫調査を8月6日に行いました。
晴れてはいたものの、セミの声も控えめになるくらい、とても蒸し暑い日でした。あまりに暑い日は昆虫たちも涼しい場所で休んでいるので、あまり活動している様子が見られないかと思っていましたが、意外と多くの種類を見ることができました。
よく見かけたのは、草むらを歩くとその気配に反応して飛び出してくるバッタの仲間。まだ翅のないオンブバッタの幼虫や、大きな雌のショウリョウバッタ(成虫)が見られました。はなバスの停留所のフェンス近くでは、今まで館庭ではみたことのないイボバッタも確認できました。
上がメス、下がオス。メスの方が体が大きく、脚も太くてしっかりしています。
イボバッタは枯れ葉のような色をしているので、注意しないと見落としてしまいます。
他に多く見かけたのはカメムシの仲間。木の上、草の上、地面と、場所によってみられる種類がちょっと変わります。
他にもチョウ(アゲハ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ等)、ガ(セスジスズメ、ツマキシャチホコ等)、甲虫(アオドウガネ、マメコガネ、クロウリハムシ等)、トンボ(マユタテアカネ、アジアイトトンボ等)と、多くの種類が見られました。
冬の調査のときに卵をあまり見かけなくて心配していたカマキリも、あと一息で成虫になる幼虫を確認することができました。
極端な暑さが苦手なのは人間も昆虫も同じ。昆虫と出会いたいなと思ったら、暑さや天敵の目を避けて隠れられる場所をそっとのぞいてみてはいかがでしょうか。
※昆虫採集は調査の為に行っています。
一般の方による昆虫採集および通路外への立ち入りはご遠慮いただいております。ご了承ください。