ロクトリポート

農と食の体験塾2018「大豆編」第6回レポート

旧東大農場において、生態調和農学や都市農業における栽培技術、市民が参加するまちづくりについて「農」を通じて、学び、体験するプログラム 「農と食の体験塾 大豆編」。
今回は、まず東大生態調和農学機構の深野祐也助教から植物の栽培化についての講義を受け、その後圃場に出て除草と追肥の作業をしました。

深野先生の専門は生態学・進化生物学で、生態調和農学機構のフィールドでは雑草や作物に関する研究をされています。私たちが当たり前のように選んで買っている「野菜(=作物)」が、そもそもの「野生の植物」からどのように栽培品種になっていったのかをお話しいただきました。

以下、記録係の嶋川さんのレポートです。

【第6回 講義、除草・追肥作業】
日時 :2018年7月10日 午前9時~11時
場所 :東大生態調和農学機構 講義室・圃場にて
内容 :「栽培化」についての講義、除草・追肥作業
講師 :深野先生、手島先生(東大生態調和農学機構)
参加者:約25名

◇大豆は前回作業から1週間経過して高さ5センチ程成長したでしょうか。水平方向にも成長しているのか、予想より上には伸びていない印象です。
1苗の様子
涼しい室内での講義を1時間ほど受けた後に、炎天下の圃場での農作業は一時間ほどで終了です。

◆「栽培化」についての講義(深野先生)
人類の歴史をさかのぼる壮大な内容でした。また配布資料と共に「動物界での家畜化」と対比しながらの大変解りやすい説明でした。
以下、特に心に残った点を私なりに記してみます。

・「栽培化」は“人為選択による進化”の過程で性質の異なる多様な品種を生み出したこと。
 『人間が生まれるまで、(今食べられている)野菜はこの世に存在しなかった!』
・地域に合った在来品種が生まれ、地域毎の食文化も育んだのに、生産性重視の影響で国の奨励品種が
 増え、多様性が減少していること。
・“多様性”はリスクヘッジでもあり、将来につながる大事な要素。
・失われつつある品種保護のためのジーンバンクが存在し種子配布も行われていること。
 (まだまだ書ききれませんが、ここまでです。)

・子供達がこんな先生の授業を受けられたら、どんなにか良いだろうなぁと感じ、聴き入った講義でした。
深野先生講義

◆除草作業
・畝間に生えた雑草(アオゲイトウが目立ちます。)を半月形の鎌(ホー)で掻きとり、撤去します。

2土寄せ
畝上の株間の雑草は手で根っ子から抜き取ります。ホーを持った塾生が畝間毎に横一列に並んで一斉にスタート。

・予想よりも雑草は少なかったし、大勢での作業なので小一時間で終了です。

◆追肥作業
あまりの暑さのためか、すっかり忘れてやり損ねるところでした。
3肥料をまく

・畝間に土の上からパラパラと適量播いていきます。
・「野菜名人A」の商標で写真の通りの要素バランスです。
4肥料の袋

◇次回:2週後の7/24に日程を変更して除草作業の予定です。