ロクトリポート

ダイヤモンドつくりに挑戦中! その13

「実験③」
先週作り直した、フィラメントを使って
いざ3回目の実験です!

実験道具もさくさく組み立てられるようになりました。
今回、気を付けたポイントとしては、
フィラメントの試験管をメタノールで満たすのですが、
絶対に気泡(空気)が入らないようにしたかったので、
1時間ほど、ゴム栓などをメタノールに浸けておきました。
そうすれば、少しは馴染むかな?と・・・。
馴染んだかはわかりませんが、その効果のかい?もあって、
今回は、ほんのわずかな気泡も入ることなく、1発で準備ができました!

実験道具

緊張しながら、スイッチを入れます。
今回はフィラメントが液面を出るのにかなり時間がかかりました。
すこし、フィラメントの巻き数を増やしたことが影響したのでしょうか?

実験中のフィラメント

写真だと分かりづらいですが、白熱しているフィラメントです。
気持ち、まだ赤い?気もしますが、前回8Aにしたとたんに、
フィラメントが切れたので、今回は7.2Aで反応を進めていきました。

フィラメントを白熱させてすぐ、
少しずつ、すすがついてきているのが気になりましたが、
電流も電圧もとても安定していたので、そのまま反応を続けることにしました。

2時間、反応させる予定でした。
でも、
1時間45分経過したときに突然、フィラメントが消えました。

冷めてからみてみると、フィラメントが真ん中から切れていました。
そして、消えた瞬間、試験管の中の液体のメタノールが一切なくなっていたように見えました。
どうして、切れてしまったのか・・・・?

こちらが実験後のフィラメントです。
すすがたくさんついています。

実験直後のフィラメント

こちらが、実験前のフィラメントです。
実験後のものと見比べると、すすが付いているのが一目瞭然ですね。

実験前のフィラメント

実験後のシリコンの基板がこちらです。
できていれば、こちらの基板の上にダイヤモンドができているはず!!
でも、残念ながら、肉眼ではそれらしきものはありません。
黒く、すすが付いているのは分かります((+_+))

実験後のシリコン

肉眼では分かりませんが、
もしかしたらダイヤモンドができているかもしれないので、
一応、電子顕微鏡で見てみることにしました!

電子顕微鏡での写真です。
シリコンの①の部分がこちらです。すごくきれいなものが見えました!すすでしょうか?

20140618シリコン上 すす

 電子顕微鏡での写真です。
シリコンの②の部分がこちらです。
ブロッコリーみたい??!すすでしょうか?
同じすすでも、拡大してみると全然形が違いますね。
どうしてでしょう?

20140618実験済みシリコン画像小

残念ながらダイヤモンドらしき結晶は見つけることができませんでした。

ちなみに、実験前のシリコンも電子顕微鏡でみてみました。
岩石カッターで切ってそのまま使っているので、拡大してみると、
かなりザラザラしていますね。

20140618シリコン表面2000倍-画像小

 今回は、初めて反応をさせて電子顕微鏡で基板を見るところまでいけました。
大きな進歩ですが、同時に分からないこと、不思議なことが増えました。

どうして、こんなにすすが付いてしまったのか?
原因が分かりません。でも、このすすがたくさんできているかぎり、
ダイヤモンドができるのは難しいのかな?と、思っています。

私が考える原因としては、
1.フィラメントや基板を素手でさわっているので、手の脂などよごれが付着していること?
2.フィラメントをつないでいる針金が銅線であること。更に、サビもついている針金を使用していること?
3.フィラメントの温度がまだ低いこと?

これらを改善する具体的な手法も考えなくてはいけないし、
自分で考えた原因以外にももっと、根本的な原因があるかもしれません。

 考えることは楽しいことでもあり、とても難しいことでもあります。
もし、この記事を読んでいただいている方で、
「すすができる原因」を、思いついた方はぜひぜひご連絡下さい。

 今回の実験のデータのメモはこちらです。

実験結果

実験用のフィラメントのノート

今回は電子顕微鏡を使うのに自然チームにも力をかりました。
電子顕微鏡は「しぜんラボ」にあります。

電顕

そして、今回は「ダイヤモンドつくり」をテレビで取材して頂きました。
失敗している様子が見られます(^_^;)

取材中

 サイエンスチーム ささき