ロクトリポート

農と食の体験塾2018「大豆編」第19回レポート

旧東大農場において、生態調和農学や都市農業における栽培技術、市民が参加するまちづくりについて「農」を通じて、学び、体験するプログラム 「農と食の体験塾 大豆編」。
第19回では、収穫した最後の3品種の脱穀作業を行いました。

以下、記録係の嶋川さんのレポートです。

【第19回 大豆脱穀】
日時 :2018年11月27日 午前9~11時半
場所 :東大生態調和農学機構 調整施設の軒下空間にて
内容 :脱穀(3品種)
講師 :手島さん(東大生態調和農学機構)/参加者10名程

◇ 今日で5度目の脱穀作業となり、全12品種の脱穀が完了します。穏やかな天気に恵まれ、メンバーも朝早くから準備に余念が有りません。
1 脱穀風景

◆ 脱穀作業
杖(しゃくじょう)豆」、「五葉茶豆」、「虎大豆」の脱穀を順番に行いました。いずれの品種も収穫から3週間経過して良く乾燥しています。(機械送風をしてくれているのも効果が大きいのでしょう。)
3 手作業

異なる品種が混ざらない様に〔脱穀⇒唐箕⇒選別〕を流れ作業的に行います。
選別機は機構が複雑なので、作業後にも機械内部のすきまに豆が落ちずに結構潜んでいます。ですから、一品種の作業毎にエアーで内部を綺麗に掃除することが必須となります。

・「錫杖」は収穫株数も少ないうえに、一株に実る莢も少なく感じます。加えて一処への莢の密集が著しく、脱穀機の円筒の(こ)き歯に一莢ずつがうまく引っかからない難物です。株枝を持つ手と円筒を回す為の足踏みにも力が入ります。どんな難物にでも対応出来る人間力の凄さがここでも発揮されます。
2 脱穀機

・「五葉茶豆」は脱穀を始めた途端に茶色い豆が弾け飛び、その色の鮮やかさに目を奪われます。艶を帯びた赤茶色は“大豆図鑑”を作った時の見本よりもずっと赤く感じます。
もともと扁平気味な豆なので、選別機にかけると全体の1/4位がはじかれ、あまりに可哀想なので後はハンドピックにて再選別。(手島さんに聞くと:土が豆に被ると転がり難くなるとのことで、根ごと株を引き抜く収穫方法の問題点が、ここにきて浮上します。⇒根元のギリギリを鋏で切るのが正解のようです。)

・「虎大豆」は今回の3品種の中では一番大粒で、シワのまだら模様が特徴的で他の品種と一目で区別がつきます。

・収穫量の測定結果です。 「杖(しゃくじょう)豆」0.85kg/「五葉茶豆」2.20kg/「虎大豆」3.10kg
4 脱穀済み錫杖 5 脱穀済み五葉茶豆 7 脱穀済み虎大豆

今回の3品種はいずれ劣らぬ美豆揃いです。1円硬貨とのスナップ・ショットをご覧下さい。(廣澤さん立案です。)
6 大豆大きさくらべ

◇ お土産に収穫したてのネギと大根を頂きました。
ネギ:「千住」、「砂村」 / 大根:「青首」、「練馬」   家に帰ってから、味比べです!

◇ 大豆収穫後の圃場では、今まさに小麦の播種を大型トラクターが行うところでした。大豆品種の違いが土に引き継がれ、育つ小麦にその影響を及ぼすのでしょうか?東大・深野さんの研究結果が楽しみです。
8 畑麦播き

※ 次回12/4 臨時・選粒作業の予定です。