ロクトリポート

カイコ はじめての飼育観察日記 ~30~ 完結編

今回は、撚って太くした糸を実際に使っていきます!
(糸を撚る作業の詳細は前回のブログを見てください。)

ウクレレの弦にしました!

何に加工したかというと「ウクレレの弦」です。
(すぐに音を聞いてみたい方はこちら

かなり贅沢なウクレレの弦ができました!

絹糸の利用法をいろいろと調べていたら、「三味線」や「琴」の弦に使うことを知りました。(現在はテトロン弦など別の素材の弦もあります。)
実際に売られている楽器用の絹糸は撚りをしっかりと均等にかけていたりと職人技で仕上げられていますが、自作ではそこまでのクオリティーの高い弦をつくることは難しかったです。
でも、自分でタマゴから育てたカイコの糸を使った弦は格別の音色でした!

育ててみて良かった

2020年の5月に孵化し、手探りで飼育をしていく中で「カイコ」を通したくさんの事を知り、体感することができました。

①うまれた時の小ささ
まず驚いたのは、タマゴから出てきた時のサイズです。「えっ?これがお蚕様なの?小さすぎる!見えない!白くない!」と思いました。初めは、ちゃんと育てられるか心配でした。
詳細はこちら(過去ブログ~2~)

②成長するスピード
想像以上の速さで大きくなっていきました。毎日、色もカタチも変わっていくので全く飽きませんでした。エサをあげる時が毎日の楽しみでした。脱皮をしているのに立ち会った時は感動しました。
詳細はこちら(過去ブログ~13~))

③カラダのつくり、繭のつくり方
幼虫が大きくなり手に乗せた時、後ろの腹肢というあしのような部分が吸盤のようにくっつきました。痛くもないのですが、やさしく違和感のある感触が忘れられません。
繭をつくり始める前の場所を選ぶのに時間がかかり、歩き回っている姿に何度ハラハラさせられた事か・・・。いざ、繭をつくり始めると長時間、懸命に糸を吐き続け、キレイな繭ができていく様子は何度みても飽きませんでした。
詳細はこちら(過去ブログ~19~)

④道具の歴史(人との関わり)
カイコと人との関わりはとても歴史が古く、調べると興味深いことが多かったです。私は、古い道具が好きなので、養蚕に使っていた道具や機械の進化の流れが面白かったです。(詳細はこちら(過去ブログ~23~)をお読みください。)
また、カイコを育てるために桑が必要なので、昔、カイコの為に桑が植えられた地域には、今もなごりで桑が多くはえていることも知りました。

⑤モノを大切にする気持ち
カイコを育て、繭から糸にし加工し完成させた「モノ」は、その背景も含めた「モノ」としての存在になりました。私にとっては、ただのモノではなく価値がある「モノ」になりました!モノを大切にしようという思いは、他のモノに対しても芽生えました。
詳細はこちら(過去ブログ~28~)

どれも、当たり前の事かも知れないし、本やネットで見たらすぐに知ることがきるのですが、実際に体感すると心が動かされました。育ててみて良かったです!プライスレス!

本当は、織物をして絹の布地をつくりたかったのですが、糸を長くとることが難しく断念しました。また、機会があれば挑戦したいです。

では、お聴きください!

ウクレレですが、音色は三味線っぽくもあります。和を感じます。

長い間ありがとうございました~

これで、『カイコ はじめての飼育観察日記』は終了になります。
長い間お付き合い頂きましてありがとうございました。

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カイコ はじめての飼育観察日記 シリーズをもっと読みたい方はこちら
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