ロクトリポート

農と食の体験塾 大豆編 2022 【次世代に豆を引き継ぐ】

11月末までは暖かい日が続いていましたが、12月に入ってから急に冷え込む日もでてきました。大豆の栽培に関する外で行う実習の最終日となった12月6日も寒い日でしたが、今回の作業は「風選」と「選粒」。脱穀で取り出した豆とクズをより分けて豆だけにする作業と、その中から「使える」豆と「使えない」豆に選り分ける作業です。

風選というのは、風の力を使って葉っぱやホコリなどを飛ばして豆だけを取り出す作業です。機械をつかって行います。まずは、脱穀した状態の豆をいっぺんに機械に投入します。スイッチを入れると、風が吹いて、軽い葉っぱやホコリは飛んでいき、重さのある豆だけが下に落ちるようになっています。機械作業なので、風選はあっという間に終わりました。

(機械にクズも一緒に混じった脱穀後の豆を投入します)

(クズと豆が分離され、豆だけが機械の下部に落ちてくるようになっています)

続いては選粒です。

選粒を行う目的は、見た目が悪いものや、そもそも食味に適していないような豆をはじくことでもあります。しかし、栽培の観点からみると、来年以降に大豆を育てるために「良い」豆を選別し、保存、継承するためでもあります。良い豆からは良い大豆が育つという遺伝のサイクルの一端を私達が担うことも、この塾では体験できます。 

まず凹凸や変形している豆を選り分けるために、すべてを目で見て、手でひとつひとつ選んでいく細かい作業を行います。本来であれば、この作業を行う機械もあるのですが、収量が少ないため今回は手作業で行うことにしました。また、機械では見落とされてしまうものもあるため、今までも最終的な選粒は手で行うことにしていました。

(大量の豆の中から、悪そうな豆をひとつひとつ選ぶ作業)

選別する際のポイントは、
・変形しているかどうか
・極端に大きさが異なるかどうか
・しわがどの程度あるか
・変色などしていないか
・割れていないか
などを大きなパレットに入れて、たくさんある大豆の中からひとつぶを選んでは、判断します。

手(足)による脱穀も大変でしたが、選粒も根気がいる作業です。
みなさん、会話をしながらも、真剣に豆に向き合う時間が続きます。
 

作業は2時間近く続き、なんとか12品種の選粒は終了。
最後に、選粒後の大豆の「重さ」を計ります。これが今年栽培した大豆の収量になります。

早生、晩生、品種でそれぞれ大きく収量は異なりますが、虫の被害が比較的少ない晩生の品種、特に日の丸大豆と鞍掛大豆の収量が多かったです。

作業終了後の振り返りでは、
・売られている大豆がすべてキレイなことが不思議に思えるくらい、大変な作業でした。
・選粒の機械についてもっと知りたい
・種を植えるところから、芽や葉が出て、枝豆になり、最後に大豆の収穫、選豆までができて、やっと知識がつながりました。
などの声が聞かれました。

 6月から始まった農と食の体験塾 大豆編の栽培実習は、今日で終わりです。今後は「生態調和農学」の講義2回と味噌作り実習を行う予定です。