『きょうりゅうのずかん』/五十嵐 美和子 著/白泉社
【私の一冊】池田/インタープリターチーム(展示室での体験や対話をとおして、科学のふしぎな面、楽しい面を一緒にみつける仕事をしています)
『きょうりゅうのずかん』/五十嵐 美和子 著/富田 京一 監修/白泉社
展示室で仕事をしていると、大昔の生き物についてわたしよりもずっと詳しい子どもに出会うことがときどきあって驚かされます。その中でも人気ナンバーワンは、やっぱり恐竜! 恐竜って、どうして子どもたちをあんなに惹きつけるんでしょう…怖くないのかな?
今回紹介したいのは、1冊まるごと恐竜図鑑の絵本です。しかし絵本だからと侮ることなかれ! 現在までにみつかっている様々な種類の恐竜のプロフィールや、それぞれのグループの特徴を描いたページもすごいのですが、わたしたちが科学館で取り扱っているような”地質時代”についての説明や、紹介した恐竜と現生の生き物との体構造の差についてもしっかりと教えてくれます。絵本だけれど、内容の濃さは大人にもすすめたいくらいの充実ぶりなのです。
そしてわたしがこの本の中で一番素敵だと思うのは、巻末です。巻末では、恐竜や化石が大好きで、将来それを調べるお仕事がしたい! という子どもたちのために、恐竜や化石・博物館に関わるお仕事をするにはどうしたらいいかを教えてくれます。
今はなかなか外にも行けず、自分の足で世界を広げるのはむずかしいですが、そんな時は絵本の力を借りて世界を広げてみるのもいいかもしれません。そして、将来博物館でお仕事をしてみたいと思ってくれる子が増えたらいいな…なんて。