『自然はともだち ~南沢博物誌~』/吉良 幸世 著/自由学園出版局
【私の一冊】鈴木 康平/自由学園 環境文化創造センター次長
『自然はともだち ~南沢博物誌~』/吉良 幸世 著/自由学園出版局(発売元:婦人之友社)
本書の著者である吉良幸世先生は、1948年から1996年まで自由学園男子部中等科で理科の教師をされました。私自身、在学中に先生から学び、教師として一緒に働く期間があったこともあって、強い影響を受け大変お世話になった方です。本書は、先生の没後、先生が生前に公にされた文章を集めて作られた本です。
吉良先生は自由学園がある南沢(現在の東久留米市学園町周辺)の自然をこよなく愛され、その洞察力から自然を友だちとして親しむことを教えて下さいました。鳥が羽ばたいて推進力を得ていることや、クルクル回りながら落ちる種は高いところで持っていた位置エネルギーを回転エネルギーに変換することでゆっくりと落ちるということなど、その物理的な着眼点には驚くばかりです。
↑こちらは2019年多摩六都科学館で開催した「科学の本棚」に展示したパネルです。