科学の本棚~科学と出会う・世界と出会う~

かわらの小石の図鑑 日本列島の生い立ちを考える

『かわらの小石の図鑑 日本列島の生い立ちを考える』/千葉 とき子、斎藤 靖二 著/東海大学出版部

【私の一冊】池田/インタープリターチーム(展示室での体験や対話をとおして、科学のふしぎな面、楽しい面を一緒にみつける仕事をしています)

『かわらの小石の図鑑 日本列島の生い立ちを考える』/千葉 とき子、斎藤 靖二 著/東海大学出版部

 展示室でのお仕事をはじめた時から、わたしは岩石に興味がありました。でも、興味の世界から仕事に変わり、人になにか説明しようと思うととても奧が深く、どのように勉強したらいいのか?最初のうちはかなり悩みました。そんな時にたまたま本屋さんで出会ったのがこの本です。

 多摩六都科学館では多摩川・荒川・相模川の川原でみられる小石を展示していますが、ひとつずつよ〜く観察すると、色や模様の違い、川によって多く転がっている石の種類に違いがあることに気がつきます。石にも顔や個性があるんです。この個性は、何によって決まるのか?それは、日本列島がどのようにしてつくられたのか、という大きなスケールのお話に広がっていきます。

 本書ではたくさんの写真と一緒に、さまざまな岩石のでき方・特徴や、三つの河川の地質、石の観察のしかたまで深く紹介されています。一見地味な”足もとの科学”、この機会にぜひ注目してみてください!