科学の本棚Ⅱ～科学と女性～
【私の一冊】林 左絵子／大学共同利用機関法人自然科学研究機構 国立天文台 准教授

『I am an Astronaut』／Sophia Evette Sharpe 著

　自分は宇宙飛行士（あるいは天文学者）になりたいと子ども、特に女の子が言ったら、先生やご家族はどう考えるでしょう。アメリカで自分の子どもが育つ間に様々な本に出会う中、印象的だったのは登場人物の多様性です。主人公が性別不明あるいは非白人…それが現実だからです。これらの絵本は、単に日本語に翻訳しただけでは本来の意図が伝わりにくい。科学や技術は、性別や人種などにかかわらず、ヒトが考える力を持つからこそ進めていくことのできる分野です。また現在は国を越えて地球規模での環境などの問題について、人間の側も国を越えて協力し、対処していく必要があります。だから自分が志を持つ方面に進学し、進路を定め、働いていく、そして社会に貢献できるようになりたいですね。