『せいめいのれきし　改訂版』／バージニア・リー・バートン 文・絵／岩波書店

【私の一冊】西本／当館アテンダントグループ（ミュージアムショップで科学に関連する商品を販売したり、インフォメーションで科学館の案内もしています）

『せいめいのれきし　改訂版』／バージニア・リー・バートン 文・絵／いしい ももこ 訳／まなべ まこと 監修／岩波書店

「考えられないほど大昔、太陽がうまれました。」

　この冒頭から始まる本書は、生命がどのように生まれ、時代とともにどのように移り変わってきたか、やわらかいタッチのイラストとともに語りかけてくれます。

　世界はとてつもなく長い時間と、とてつもなく広い空間の中に流れるように存在しています。地球はむかしマグマのようでした。けれどもっとむかし、地球はありませんでした。恐竜は何億年もの間、たくさん生きていました。今はいません。人間は文明をつくり、様々な発見をしてきました。そして歴史をひも解いてきました。私たちは今生きています。しかし人間の存在はこの世界のほんの一部に過ぎません。この世界の主人公は誰なのでしょうか。人間はこの舞台をどのように未来に繋げていくのでしょうか。

　私たちは今この時この場所の主人公です。次の主人公に渡すバトンに何を刻むか、深く考えさせられる一冊です。