『カラスの教科書』/松原 始 著/講談社文庫
【私の一冊】佐々木/研究・交流グループ(ラボや教室などでのイベントの企画・制作・運営、展示室の企画・制作、企画展の企画・制作をしています)
『カラスの教科書』/松原 始 著/講談社文庫
みなさんはカラス、好きですか?
わたしは、小学生のころにカラスが前を歩いているおじさんの頭を突然攻撃しているのを見てから「とにかくカラスはこわい!!」という先入観をずっと払拭できずにいました。意味も分からず突然上から攻撃してくる危険な生き物 “カラス” をなるべく視界に入れないように生活してきました。
この本はカラス愛に溢れています。カラスは「意味なく」攻撃することも「突然」攻撃することもないこと、カラスも人間を怖がっていること、初級カラス語会話(鳴き声を使い分けていることなど)を知っていくと、本の内容を確認するためにカラスを少し観察するようになりました。「あのカラスは今、なにをしているのかな?」と想像しながら見ていると、少しカラスが見ている世界を覗いているような感覚がしておもしろくなってきました。「知る」ことで恐怖が和らいだり、視野がひらける事ってあるな。と、改めて感じられる1冊でした。