『新版 農産機械学』/山下 律也、他10名 著/文永堂出版
【私の一冊】安永 円理子/東京大学大学院 農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構 准教授
『新版 農産機械学』/山下 律也、他10名 著/文永堂出版
高校の時の理科の選択科目は生物・化学だったのですが、大学では農学部の必修科目に物理が含まれていたため、教養課程では物理の単位を取るのに苦労しました。
しかし、専門課程に進み、農産機械学の講義の中で、収穫後の農産物に対し、品質を保持しながら、安全に消費者に届けるために行われる様々な技術が、物理法則の上に成り立ち、貢献していることをこの本を通じて学ぶことができました。
特に印象に残っているのは、ガス組成を低酸素、高二酸化炭素濃度にし、低温かつ高湿度条件で貯蔵するCA貯蔵を行うことによって、秋にしか収穫できないリンゴを年中食べることができるようになったということでした。
その当時から、食や食料廃棄の問題に興味があったため、世界中の人々が豊かな食生活を享受できるような研究を行いたいと思い、研究者を目指しました。
↑こちらは2019年多摩六都科学館で開催した「科学の本棚」に展示したパネルです。