科学の本棚~科学と出会う・世界と出会う~

海賊とよばれた男

『海賊とよばれた男』/百田 尚樹 著/講談社

【私の一冊】梶川/多摩六都科学館ボランティア(科学館内での来館者とのコミュニケーションや、ボランティア会主催のSL模型運転見学会、太陽観望会、科学実験のサポートなどをしています)

『海賊とよばれた男』/百田 尚樹 著/講談社

 1945年の終戦後、国岡商会の店主・国岡鐡造は戦時中の中国や満州での海外事業の全てを失うも、従業員を誰一人解雇することなく復興のために奮闘。旧日本海軍のタンクの底に残った油の処理の仕事をきっかけに石油事業に乗り出し、GHQはじめ国内外からの圧力を受けながらも様々な困難をアイデアと行動力で乗り越え、やがて日本を代表する大企業までに成長していく…といったストーリーが展開される小説です。 

 日本人としての誇りを見せた、出光佐三をモデルとした国岡鐡造の生涯を描いた物語は、最近読んだ本で身震いするほど感動した一冊です。エネルギー少国の日本にとって大事な石油をどう確保するか、社員1000人の一人も首を切らずに事業を続け、既存の大企業と役所に立ち向かって企業を成長させた出光興産生みの親のストーリーは、コロナウイルスでダメージを受けた日本の復興の際、勇気を与えると思います。