『モモ』/ミヒャエル・エンデ 著/岩波書店
【私の一冊】中村 桂子/JT 生命誌研究館 名誉館長
『モモ』/ミヒャエル・エンデ 著/岩波書店
とても奥手なので、自分で考え、これぞ私の仕事と思うものを見つけたのは大人になってからです。生きているってどういうことなのだろうと考えているうちに生きものにとって大切なのは時間と関係だということに気づきました。それが機械と違うところだと。
モモはじっと坐って注意深く話を聞く女の子です。すると話をしている人にまともな考えが浮んでくるのです。ところがそこに時間を節約しろという「灰色の男」たちが現れて皆が忙しくなります。忙しい、忙しい。これでは本当に生きることにはなりません。生きものである人間にとっては時間と関係が大切・・・
ここから本当に生きることを大切にする生き方を考える「生命誌研究館」が生れました。
↑こちらは2019年多摩六都科学館で開催した「科学の本棚」に展示したパネルです。