科学の本棚~科学と出会う・世界と出会う~

だれが原子をみたか

 

『だれが原子をみたか』/江沢 洋 著/岩波現代文庫

【私の一冊】髙柳 雄一/多摩六都科学館 館長

『だれが原子をみたか』/江沢 洋 著/岩波現代文庫

 私がNHK教育テレビで科学系の講座番組を担当していた頃に手に入れた本でした。それ以来、40年以上も本棚に置き、科学の番組を担当する時、手にとって読むよりは、この本のタイトル「だれが原子をみたか」を眺めて、そこで語られていた原子論の歩みを思い出して、自然界の中で人間が不思議を発見し、その解明を進めてきた科学という営みの面白さを描く視点の存在と重要性を確認する機会として来ました。

 この本の「はしがき」は「だれも原子を見た人はいないだろう。それなのに、この本は【だれが原子をみたか】という題がついている。」ではじまり、科学という人間の営みへの素晴らしい案内になっています。

 みなさんも手にとって科学の世界の面白さに触れてください。