【私の一冊】志賀 信泰/国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT) グローバル推進部門 プランニングマネージャー
『だるまちゃんとてんぐちゃん』/加古 里子 著/福音館書店
だるまちゃんはてんぐちゃんの持ち物にあこがれて「だるまどん」におねだりをしますが、だるまどんが用意してくれる物はいつもイメージとズレてばかりでだるまちゃんはがっかり。でもだるまちゃんはがっかりした後「いいことに気づいて」素敵なものを見つけだし、しまいにはてんぐちゃんも驚くほどのものを手に入れ、二人で楽しく遊びます。
だるまちゃんの成功体験はまさしく研究の成功体験そのものです。僕たちもある結果を期待して実験しますが、大抵はイメージとズレた結果に終わってがっかりします。しかし、あきらめずにジタバタしていると、ある時ふっと「いいことに気づいて」期待していなかった発見に至ることがあるのです。
研究に限らず、「欲しいものが手に入らない」時こそ驚くような素晴らしいものが生まれるチャンスなのではないでしょうか?
↑こちらは2019年多摩六都科学館で開催した「科学の本棚」に展示したパネルです。