『地球はなぜ「水の惑星」なのか』/唐戸 俊一郎 著/講談社
【私の一冊】小田島/研究・交流グループ(地学系の体験プログラムの企画、実施。岩石・鉱物・化石標本の管理、展示などをしています)
『地球はなぜ「水の惑星」なのか』/唐戸 俊一郎 著/講談社
本書は、地球のシステムと地球史について書かれた本です。地球の環境を特徴付けている「水」をキーワードに地球の誕生から、現在の地球にいたるまで、最先端の地球惑星科学のテーマが取り上げられています。例えば、近年の研究により、大部分が固体である地球の内部に、海水の何倍もの水が存在することが分かってきました。これは固体の中に小さな水泡があるという意味ではありません。本書には、どのように「水」が入っているのか、中学校理科や高校の化学の内容を思い出しながら読み進めると理解できるように書かれています。
本書は一般向けに書かれてはいますが、ある程度は地学の基礎知識があった方がより深い内容を読み取ることができます。基礎的な部分の図説は割愛されていますので、高校地学の図説などがあるとより楽しめると思います。時間をかけて本書と向き合い、地球惑星科学の奥深い面白さをのぞいてみてください。