科学の本棚~科学と出会う・世界と出会う~

宇宙においでよ!

『宇宙においでよ!』/野口 聡一 著、林 公代 著/講談社

【私の一冊】成瀬/天文グループ(プラネタリウムでの生解説や、企画・番組制作、図書館等でのイベント協力をしています)

『宇宙においでよ!』/野口 聡一 著、林 公代 著/講談社

 人類がロケットを飛ばし始めたのはいつ頃だと思いますか?

 世界初の液体燃料ロケット打ち上げは1926年、およそ100年前のことでした。そして世界初の有人宇宙飛行、つまり人間が宇宙空間に初めて飛び出したのは、1961年、およそ60年前です。

 今、ロケットが打ち上がったり、宇宙飛行士が宇宙に行ったりすることは、珍しくない時代になりました。しかし人類の長い歴史から見れば、人類が宇宙に行けるようになったのは本当につい最近のこと。地球を宇宙から見たことがあるのは、現代の人類だけなのです。

 野口聡一さんは、実は「宇宙で初めてラーメンを食べた」宇宙飛行士。高校時代の希望職業欄に「宇宙飛行士」と書いた野口さんは、その後本当に宇宙飛行士に応募して、本当に宇宙飛行士になりました。その野口さんが、楽しさも危険も隣り合わせの宇宙での様子を、目の前で語るかのように伝えてくれるのがこの本です。

 2020年11月16日(月)9時27分(日本時間)、野口さんはクルードラゴン宇宙船に乗って3回目の宇宙に旅立ちました。私たちに「宇宙においでよ!」と語りかけながら、ご自分でも宇宙へ行く夢を3回も実現させたことになります。野口さんが見る宇宙を、一緒に体験してみませんか。